英議会、中国大使を出入り禁止に 新疆問題で議員への制裁に対抗

2021/09/16
更新: 2021/09/16

英議会の議長は、中国の鄭沢光駐英大使の議会への出入りを禁止する方針を示した。鄭大使は15日、英議会内で開かれる親中派の超党派グループによる会合に出席する予定だったが、一部議員から抗議の声が上がったため、上下両院の議長が同決定を下した。

英国は3月、欧州連合(EU)や米国、カナダとともに、新疆ウイグル自治区の共産党幹部ら4人と「収容施設」を管理する公安当局に対して制裁を発表した。

中国政府は対抗措置として、EUや英国に制裁を科した。

英議会議員ら9人と保守党内の委員会など4組織の関係者は、中国への入国禁止や中国内の資産凍結などの制裁を受けた。

先週、イアン・ダンカンスミス元保守党党首や下院外交委員会のトム・トゥーゲンハット委員長など中国から制裁を受けた下院議員5人は、リンジー・ホイル下院議長に共同書簡を送り、中国大使を招待する行為を「脅威」だと指摘し、懸念を表明した。

これに対し、ホイル下院議長は、「わが国の議員が中国から制裁を受けている時に、中国大使が議会に来るのは適切ではない」と述べた。同会合は関係づくりのために各国大使との間で定期的に開かれている。

また、「会合を禁止しているのではなく、その会合が議会内で開かれるのを禁止する」と付け加え、中国が制裁を解除するまで、出入り禁止を続ける考えを示した。

制裁を受けた上院議員2人も、ジョン・マクフォール上院議長に書簡を送付し、中国大使の会合参加に抗議した。

中国から制裁を受けた議員らは、鄭大使の議会への立ち入り禁止措置を歓迎した。

ヌスラト・ガーニ下院議員は、「英議員への制裁は、英議会と民主主義に対する直接的な脅威だ」と述べた。

また、ダンカンスミス元保守党党首は、「中国の制裁を受けた議員にとって、中国大使が言論の自由や国民の自由を守る場所である議会に来ることは、まったく受け入れられない事だ」と述べた。

(翻訳編集・李凌)