米バイデン大統領は11月、世界の民主主義国のリーダーを集めた首脳会談「民主主義サミット(Democracy Summit)」を12月9、10日の2日間にオンライン上で開くと発表した。 同盟国との絆を強化し、中国への牽制を本格化する動きとみられる。本会議には台湾が出席する可能性があり、中国側が猛反発することが考えられる。
サミットには民主主義国の首脳、市民・慈善団体、民間部門の代表などが参加する予定で、「権威主義への対応」「腐敗の追放」「人権尊重」の3つの主要テーマについて議論する。
このサミットの開催について米ホワイトハウスは、「世界のリーダーたちが互いに意見を交わし、国際的な協力を推進し、民主主義が直面する最大の脅威について話し合う機会」と説明している。
バイデン政権は今年1月の発足後、日本などの主要同盟国と関係改善を推進すると同時に、主要7カ国(G7)、クワッド(米国、日本、インド、オーストラリア)など多国間協力体を通じて、中国に対する包囲網を強固にしている。
「民主主義」という理念が特に強調される今回の会談は、「非民主国家」である中国とその友好国に対する国際的な孤立化を公に狙う。米紙ワシントンポストは「今回の会談は中国の経済、政治、軍事的影響力の拡大に対立する各国政府を結集しようとする努力で、招待国リストは作られる可能性が高い」と分析した。
今回の会議に台湾の参加可否も注目を集める。アントニー・ブリンケン米国務長官は3月、米下院外交委員会の出席の際、「台湾は強力な民主主義体制を備えている」と述べ、台湾をこのサミットに招待すると公言している。今回の開催に台湾外交部は12日、「米国の招待状を待っている」と積極的に応えた。
台湾の参加可能性に中国政府は激しく反発した。共産党機関紙・環球時報は13日、「蔡総統が各国首脳とともに会談に出席する場面を演出するのは、台湾を国として公に認め、台湾海峡の政治的状態を壊すのと同じだ」と述べ、台湾への軍事的介入も辞さないと主張した。
中国は国際舞台で台湾の存在を消すために、妨害工作を広げてきた。世界保健機関(WHO)の意思決定機関である世界保健総会(WHA)で台湾は2009〜2016年オブザーバーとして参加してきた。その後、対中路線を強めた蔡英文政府が発足して以来、2017年からWHO事務総長が招待状を発送しなければ台湾が参加できないようになっている。
(翻訳編集・潤水)
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