艦船の活動を追跡するツイッターアカウント「OSINT-1」は26日、中国空母「遼寧」と米軍艦隊の衛星写真を公開した。写真によれば、26日台湾東部の海域で、米海軍のアーレイ・バーク級ミサイル駆逐艦が中国海軍の空母「遼寧」を追従し、至近距離で監視していた。
写真の位置は、台湾東部の外海で、日本の宮古海峡に近い海域だ。空母「遼寧」のほかに、中国海軍の054A型ミサイル・フリゲート、052D型ミサイル駆逐艦(昆明級駆逐艦)、055型ミサイル駆逐艦(南昌級駆逐艦)と901型総合補給艦が、「遼寧」とともに航行していた。
写真では、米側の駆逐艦が、「遼寧」艦隊の真ん中の位置に割り込み、「遼寧」を追いかけていた。「遼寧」と米駆逐艦の間の距離はわずか10キロだった。さらに、「遼寧」の901型総合補給艦は米駆逐艦の後ろに取り残され、前方の軍艦に追い付いていない様子だった。
台湾の国防部(防衛省に相当)は27日、この衛星写真の公開を受け、国軍は台湾周辺の海域と空域の状況を十分に把握していると声明を発表した。
また、フェイスブックで軍事情報を発信する「新・二七部隊軍事雑談」によると、26日台湾東部、日本の石垣島から南200キロの海域で、米軍のアーレイ・バーク級ミサイル駆逐艦とタイコンデロガ級ミサイル巡洋艦がともに「遼寧」を追いかけていた。「遼寧」はタイコンデロガ級ミサイル巡洋艦の右側に位置していた。両国の軍艦の距離は約10キロだった。
「新・二七部隊軍事雑談」は27日、「宮古海域での『遼寧』艦隊を監視する」ために、「今朝、米軍のRC-135W電子偵察機が沖縄基地から出発した」と投稿した。
台湾空軍の前副司令官である張延廷氏は同日、米ラジオ・フリー・アジア(RFA)の取材に対して、「米軍艦が4~10キロまで『遼寧』に接近したということは、『遼寧』が米軍の目測範囲にいたと言える。米のイージス・システム搭載艦は艦首と艦尾を合わせて144個の垂直発射システムを持っているため、この距離では、空母『遼寧』は米軍艦による飽和攻撃に耐えられないだろう」と述べた。
張氏は「これは、いざ米中の軍事衝突が起きる時、中国軍側は事前にリスクを完全に排除できず、警戒能力も不十分であることを反映した」と指摘した。
同氏によれば、米軍の空母打撃群は200海里(約370km)以内の海域と空域に軍艦や軍機の出入りを禁止している。
「遼寧」艦隊は今月3日、沖縄本島と宮古島を通過し、第一列島線を越え、西太平洋の海域に入った。
米海軍は4日、フィリピン海で、ミサイル駆逐艦マスティンの司令官が甲板の上で、肉眼で「遼寧」艦隊を監視している様子を撮影した写真を公開し、中国軍をけん制した。
(翻訳編集・張哲)
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