中国四川省成都市にある私立学校、成都七中実験学校の小学部の保護者らは13日、同校の給食に腐った食材やカビが生えた食材が使われているとして、学校前で抗議デモを行った。地元当局は警備隊を派遣し、唐辛子スプレーなどを使って鎮圧した。
デモに参加した保護者の李さんによれば、11日午前中に学校行事に参加した後、給食を食べる子どもの様子を見るために食堂を訪ねた。その際、食堂の劣悪な環境にあぜんとし、さらに腐った食材などを見つけた。保護者らは、ソーシャルメディアを通じて問題の食材の写真を掲載し、情報提供を呼び掛けた。
12日午後から夜にかけ、多くの保護者が学校に詰め掛け、学校側に説明を求めた。保護者らは、成都市温江区政府と区教育委員会にも陳情した。
李さんは「学校側と当局の役人からは納得のいく説明が得られなかった。しかも、学校側はその日から、問題の食材を全部ほかの場所に移動した」と述べた。
保護者の劉さんによると、13日朝からは、保護者数千人が学校に詰め掛けた。同時に、一部の保護者は温江区庁舎の前で陳情活動をした。しかし、陳情に応じる区当局の幹部は一人もいなかったため、怒りが爆発した保護者らは横断幕で区庁舎付近の道路を封鎖した。当局は警備隊を投入し、唐辛子スプレーで鎮圧し、保護者数人を拘束した。
保護者が提供した抗議デモの動画では、唐辛子スプレーを噴射された一部の保護者が、目を洗っている様子が確認できる。
当局はその後、一部の保護者を解放した。現在3人の保護者がまだ拘束されている。
保護者らは、ここ1、2年で、腹痛を訴える子どもや、嘔吐、血便、鼻血などを繰り返す子どもが多かったとした。「今になって腐った食材が原因と分かった」
成都七中実験学校の親会社は、四川省の民営複合大手・冠城集団だ。同学校は寄宿制小中高一貫学校で、インターナショナル・スクールも併設されている。現在、全校で140クラスあり、在校生と教職員をあわせると6000人を超えている。
保護者の李さんによると、学費は年間4万元(約66万4592円)と高額だ。
同学校は食堂の運営を、地元の民営企業「四川徳羽後勤サービス管理有限公司(以下、四川徳羽)」に委託している。
中国の企業情報検索サイト「天眼査」によると、この民営企業は、成都七中実験学校を含む20の学校の給食業務を担当しており、計10万人の学生にサービスを提供している。
保護者らは3月14日、引き続き抗議デモをするとした。
(記者・顧暁華、翻訳編集・張哲)
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