習近平氏「有事に備えよ」軍に訓示、北朝鮮への警戒強化

2017/04/20
更新: 2017/04/20

中国の習近平国家主席は最近、軍幹部らと面会し「いつでも有事に備えよ」などと訓示した。当局は北朝鮮に対して警戒を強めている。

北朝鮮を念頭に習近平氏が訓示

習近平主席は18日、北京中心部に置かれた、人民解放軍最高決定機関である中国共産党中央軍事委員会が入る建物「八一大楼」で、新たに組織された陸海空など84の軍関連機関の幹部や士官らと面会した。

北朝鮮を念頭に習近平氏が訓示 中央軍事員会主席も務める習近平氏は、幹部らに対して「中央軍事委員会の指揮に従う必要がある」「いつでも有事に備えよ、戦闘部隊の意識を強化しなければならない」「軍事研究、戦争研究、戦闘研究に集中せよ」「軍事行動の各準備をよりよくし、高度な警戒態勢を保とう」「精鋭戦闘力を発展させ、実戦化訓練を強化する」などと発言した。

今回の訓示は、昨年2月に習氏が北京で5大戦区の軍幹部らに発した「各戦区はいつでも兵力を率いて戦うように備える必要がある」との言葉と比べて、より明確で具体的となった。

中国国内メディア「財新網」は過去の報道で、習近平政権にとって今年秋に予定されている中国共産党第19回全国代表大会(19大)が無事に開催されることが最大の政治任務であるため、国外の平和安定の維持は非常に重要だと分析した。

現在国内外情勢をみると、習氏の「軍事行動の各準備」「高度な警戒態勢」との発言は北朝鮮を指したものだと推測する。

態度厳しく 習政権の対北朝鮮政策の転換

4月上旬、トランプ米大統領と米中首脳会談を行った習近平氏は帰国後、対北朝鮮政策で以下のような多くの転換が見られた。

外交部朝鮮半島問題特別代表の武大偉氏が10日、韓国を訪問した。武氏は韓国政府に対して米中首脳会談の結果を報告したほか、北朝鮮が新たに核実験あるいはミサイル発射を行えば、国連安全保障理事会の決議に基づいて、北朝鮮に対してより厳しい制裁を加えていくと韓国政府と共通認識に達した。

その後、北朝鮮は武大偉氏と王毅・外交部長の北朝鮮訪問を拒否した。

ロイター通信によると、中国の丹東誠安貿易有限公司は11日、北朝鮮から輸入した石炭を送り返した。また、中国国際航空(エアチャイナ)は北京ー平壌便を一時運行停止した。中国国内の旅行会社や旅行関連ウェブサイトでは北朝鮮ツアーの取り扱いを次々と中止した。

さらに、遼寧省大連市環境保護当局は14日、同市の各部門に対して、北朝鮮の突発的な「核と化」(放射能汚染と化学汚染)の環境事態に備え、即日「24時間緊急対応」警戒態勢を実施するとの通達を下した。

一部の報道では、人民解放軍北部戦区の陸、海、空、ロケット部隊士官200人は14日、遼寧省瀋陽市の同戦区「聯合作戦指揮センター」に集結したという。

(時事評論員・周暁輝、翻訳編集・張哲)

この記事で述べられている見解は著者の意見であり、必ずしも大紀元の見解を反映するものではありません。
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