一人っ子政策のひずみ エスカレートする親子の見栄=中国

2010/09/06
更新: 2010/09/06

【大紀元日本9月6日】中国では新学期が始まり、大学の新入生たちが新生活をスタートした。今年、注目を浴びているのは、新入生たちの豪華な所持品である。iPhone、一眼レフデジカメ、MP4など最近はやりの電子製品を買いそろえている。

湖南師範大学商学院の新入生・張さん(南京出身)が持っているNikeのバッグには、7000元あまりの一眼レフのデジタルカメラ、香港版のiPhone、ノートパソコンなどの電子製品がそろっている。

5000元(ノートパソコン)+3100元(携帯電話)+2900元(ブランド服、靴、バッグ)+2100元(化粧品、スキンケア用品)=13100元。これは湖南大学の、ある新入生の所持品の総額で、両親の2か月分の給料にあたる。

「この間、パソコンを購入しようとする学生たちで店内がごった返しましたよ。そのうちの、大多数は大学の新入生たちだった。私一人で一日19台を売ったこともあります」と某商店の販売員がPC販売の繁盛ぶりを語ってくれた。

また、天津、北京、広州など他の地区でも、情況は同じだった。天津にある商店は、「近年、学生たちの購買力は伸びる一方で、高額のノートPCが人気の的になってきた。大学1年生のほか、多くの大学3、4年生たちも新機種をこぞって買う」と語った。また、あるカメラ店の店長は、「新学期が始まる前に、CanonとNikonの一眼レフのデジカメが売切れた」と話した。

大学の新入生たちの高価な所持品について、「80年当時は、お祝いのマントウ(むしパン)と一台のラジオを持って大学に入学したのに・・・」と当時を懐かしむ親たちの声も聞こえる。しかし、「経済的に余裕があれば、子どもが学校で他の学生から見下されないようにするために、買い与える」という親たちも多い。

高級グッズを持たせる傍ら、入学当初、両親が子どもに付き添うのもブームになっている。多くの親たちは、18歳のわが子が知らない都市で暮らすのが心配で、大学の入学手続きに付き添うのだという。また、大学の周辺で部屋を借りて子どもの世話をしている親たちもいる。現在、武漢の有名大学の周辺では、お金があっても部屋を借りるのが困難になってきたという。

近ごろ、大学のキャンパスでは、「1か月500元は貧乏人、せめて800~1000元、2000~3000元あれば「クール」に振舞え、4000~5000元なら本物の富豪」ということばが流行っている。

専門家は、「これは、90年代生まれの一人っ子大学生が贅沢な消費により、盲目的な見栄の張合いになっていることを反映している」と指摘する。世論からも、「親たちは口では子どもが節約することを望むと語るが、何千元もするカバンや、数百元の文房具、高価なデジタル製品まで子どもに買い与えている。子どもが学校で高価なものを持っていないことで、「メンツ」が潰されることを恐れている。親の行動は子どもの消費観と価値観に悪い影響を与え、子供たちの誇示する心理と互いに張り合う心理を助長させている」と、贅沢な生活を止めるよう呼びかけている。

※1元=約12.4円

(翻訳編集・李頁)