広東省・東莞市、玩具工場で集団抗議事件発生

2008/11/28
更新: 2008/11/28

【大紀元日本11月28日】11月25日午後、中国広東省東莞市の中堂鎮にある開達玩具工場で、労働争議から次第に大規模な集団抗議暴動に発展するという事件が発生した。この衝突で少なくとも工場の従業員5人が殴られ負傷した。当時、現場には2千人を超すほどの人が集まり、激昂した民衆により警察車両5台が横転させられた。

情報によると、開達玩具工場は香港開達実業有限公司に属する下請け企業で、現在およそ6千5百人の従業員を抱えており、今年2度に分けて契約満期となる従業員5百人に対し契約を打ち切る予定だった。これら契約を打ち切られた従業員は同工場ですでに10数年も働いている人もおり、その補償について従業員側に不満が生じ、今回の衝突が発生したという。

25日午後5時50分ごろ、解雇された労働者5百人が工場責任者に対し今回の契約打ち切りについての説明を求め工場入り口に集まった。当時、数十名の警察と治安員が現場にいたが、労働者を殴ったことから二千人以上の群衆に取り囲まれた。激昂した人々は警察車両5台を横転させた。その後、群衆は工場内に侵入し工場事務所の窓ガラス、パソコンなどの設備を破壊した。

ある女性職員によると、工場は従業員に対し1ヶ月分の賃金しか補償しなかったため、不満が生じた。ある者は7、8年、ある人は十数年もこの工場で働いていたのだ。工場と話をつけるため、また、なぜ契約打ち切りになったのかの説明を求め、工場入り口に集まった。

「当時30人以上の警察がやって来て一列に並んでいた。警察車両5台と迷彩服を着た者がこれらの労働者を出入らせないよう見張っており、双方は対峙していたが最後に彼らは労働者たちに手をあげ女性作業員を殴りつけた。男性の同僚は理性的に殴らないよう訴えかけたが、警察はこの男性を囲み階段の上から引きずり落とした。私は男の子3人と女子学生2人が殴られ怪我をしたのを見た」

さらにこの女性職員の話では、この後これらの人がさらに女子を殴り、この話を聞いた工場の従業員が皆外へ出てきたことで、女子を殴るのをやめたことや、この後、怒った民衆が警察車両を横転させ、当時少なくとも二千人以上がこの騒ぎを見に集まって来たこと、事務所は徹底的に破壊されたという。

本紙記者が東莞市中堂鎮役場に電話したところ、この件の責任者である黎主任が応対した。主なことは、一部従業員の工場との契約が満期を迎え、工場が継続契約を行わなかった。従業員は補償を求めたが工場側との合意が得られず、今回の事件が発生した。この騒ぎで6人の従業員が軽症を負った。

労働者が提出した要求については今日、労働者と工場側が合意に達したと黎主任は伝えている。契約を打ち切られた労働者は労働局の手続きを済ませ、その他の労働者は正常に出勤しており影響も受けていないとのことだった。

情報によると、同工場では11月19日と26日の2度に分けて計596人の解雇をしている。中堂鎮の委員会政府は通達中において、新労働契約法に則り発生した1ヶ月の経済補償金を支払うこと、このほか工場側から報奨金が出され、それぞれ工場労働者770元、職員1030元である。受取資格については就業して7年以上、または1度もミスをしなかった労働者に毎年1ヶ月分の賃金を補償する。しかし1度でもミスをしたことがあればこの報奨金は手に入らないという。

「数回に分けて行われた契約打ち切りで解雇された人、この前に解雇された労働者は補償がなく、ある人は1ヶ月分、ある人は全く無い。皆は何を根拠に工場がこのようにしているのか分からない。もし以前にちょっとしたミスを犯して警告あるいは少しの記録で補償が無くなるとしても文書による規定はない。心配なのは、年収の減額で、なぜならすぐに2009年の新たな労働契約が迫っている。具体的な内容は我々もよく知らない」

工場事務室の窓ガラス、パソコンなどの設備がことごとく破壊された

破壊された警察車両(大紀元)

(記者・古清児、翻訳・坂本)
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