ロシアの国際法連続違反、73歳の国連難民を中国強制送還

2007/05/18
更新: 2007/05/18

ニューヨークのファールンゴン(法輪功=FalunGong)関連広報サイト「法輪大法情報センター」によると、中国の名門大学の元教授・高春満氏(73)は5月13日、ロシアのサンクトペテルブルグの自宅で、ロシア移民局に突然逮捕され、中国へ強制送還されたという。ロシア移民局の職員によってサンクトペテルブルクの自宅から強制連行された。移民局の職員は口実を作って高氏の自宅に侵入後、すぐに電話線を切断し外部との連絡を取れないようにしたという。高氏は法輪功学習者で、国連から合法難民として認定されている。

3月にもサンクトペテルブルグ在住の法輪功学習者の馬慧さん母子が中国へ強制送還されていることから、同センターは、高氏の連行も中共政権の依頼でロシア当局が行ったものとみている。もし高氏が中国に送還されれば、監禁だけでなく、拷問を受ける可能性が非常に高いため、高氏の身の安全が非常に危ぶまれるという。

高氏は2003年に難民申請後、国連難民高等弁務官事務所に合法難民として認定されている。もしロシアが高氏を中国へ強制送還すれば、その行為はロシアが批准・遵守する義務がある拷問等禁止条約及び国際難民法33条のノン・ルフールマン原則(迫害を受ける危険のある国家へ難民を追放、または送還してはならないという原則)に違反し、国際法違反であるのは明らかである。

ロシア移民局の職員は、13日午前11時半(現地時間)に高氏の自宅の大家を装い、自宅に侵入した。ロシア市民である高氏の妻ミラ・高夫人は「職員らは夫に何の文書も裁定書も見せず、理由も述べずに夫を拉致した」と述べ、職員らはさらに警察や他者への通報を防ぐため、高氏宅の電話線を切断したという。

高氏は二年前に倒れたことで身体の一部に障害を負っており、本人の意志や妻の抗議は無視され、職員らによって連れ去られた。ロシア消息筋によると、赤十字社のスタッフなどが拉致事件の後、高氏の所在を特定するため、緊急の行動をとったという。ロシア警察によると、同日午後6時半、高氏はすでにモスクワに連行されており、北京への定期航空便で送還されたという。

高氏の友人によると、高氏は中国の名門大学、清華大の教授であったため、ロシアでの中心的人物と中共当局から目されていたという。高氏は清華大の化学工学学部で教鞭をとっていた。

ロシア当局はこの数ヶ月間で非常に悪い前例を作っている。3月27日には国際法に違反し、国連認定の難民である中国法輪功学習者、馬恵夫人と8歳になる娘を中国へ強制送還している。

この事件を受け、NPO法人日本法輪大法学会は17日、駐日ロシア大使館に抗議文を提出し、馬さん親子と高氏の救出を求める抗議活動を行った。

駐日ロシア大使館前での抗議活動(大紀元)