【大紀元日本6月8日】中国の人権や政治状況を視察するため、5月下旬に訪中した欧州議会のスコット副議長は、北京の人権派弁護士・高智晟氏宛てに公開書簡を出し、法輪功迫害に反対する高弁護士の勇気を称え、EU諸国駐中国大使館に対しては高弁護士を支持し、庇護するよう呼びかけた。スコット副議長はさらに、6月4日午後、高弁護士と電話会談を行い、中共政権の存続問題や、中国の人権問題と欧米国家の政府関係者の対応、法輪功への集団弾圧および生きている法輪功学習者からの臓器摘出問題などについて議論した。
中共政権の存続問題
中共政権による独裁体制の存続問題について、スコット議長は自分の見解を次のように語った。「東ヨーロッパ国家の共産党政権が崩壊する前、私は当時これらの国の政治異見者と会談した。その時、私は共産党政権が近い将来に崩壊するという兆しを掴めず、率直にその感想を彼らに伝えた。しかし、その後まもなく、これらの共産国家は相次ぎ解体した。今回の中国訪問((http://www.epochtimes.jp/jp/2006/05/html/d26152.html)で、私は中共政権が近いうちに崩壊する兆しを強く感じ取った」。
人権問題に関する欧米国家の中共への対応
スコット副議長は、ドイツのメルケル首相が前任のシュレーダー首相と異なり、中国の人権問題や民主活動家、異見者などにも高い関心を示していることを評価し、「メルケル首相は共産政権の東ドイツの出身であり、共産党の独裁体制の本質をより深く理解している」と分析した。さらに、スコット副議長は、この流れが必ず未来の主導力となり、自分の職権範囲内で、各方面に対し、中国の人権問題にさらに注目するよう呼びかけていくと述べた。
法輪功への集団弾圧及び中共政権の臓器狩り
スコット副議長は、法輪功に対する集団弾圧および臓器の強制摘出の裏幕などについて、高弁護士と話し合った。高弁護士は、農地の強制徴収や、家屋の強制撤去、家庭教会(「地下教会」とも称し、中共政権の管理を受け入れないカトリック教信者の組織)への弾圧、直訴者の取締りなど、中国国内に存在する様々な人権問題を挙げ、これらの問題は高弁護士がここ数年に注目している民主抗争の問題であると説明した。そして、特に法輪功学習者への集団弾圧の残虐さは人間の想像の域を超えていると強調した。
高弁護士は、独自に調査を進めていく中で、法輪功迫害の実状を初めて知ったと明かし、「中共政権は彼らの肉体と精神に残虐な迫害を加え、これは全人類に対する犯罪である。真相を初めて知ってから数日間、私はあまりの衝撃で精神が興奮状態に陥った。我が政府、立派な背広に身を包んでいる幹部らが、このように人間性を喪失し、冷血かつ残虐な行動を起すなんて、想像するのも苦痛だった」とスコット副議長に心情を伝えた。
生きている法輪功学習者の臓器を強制摘出し、体を焼却処分しているという事件について、高弁護士は、この事件が明るみになる前から、彼が調査した法輪功学習者が多くの亡くなった学習者の遺体に切開され、縫合された跡が残っているという証言を寄せていたと説明、「中共政権が死刑囚の臓器を摘出していることはすでに公然の秘密である。法輪功学習者に対しては、『拷問で死んでも、自殺とする』という内部通達が出されており、利益に目が眩んだ関係者たちは、恣意に彼らの臓器を摘出・販売しているが、これは必然的なことだ」と見解を述べ、組織ぐるみの闇で進むこの臓器狩り犯罪は、ナチスによるユダヤ人への迫害と比べても、残虐さは衰えていないと指摘した。
会談の最後に、高弁護士は、「中国の人権状況は悪化し続ており、法輪功への集団弾圧は、全人類への犯罪で、人間世界に対する挑戦である。このような罪悪は一分一秒でも容赦してはならない、ただちに制止すべきだ」と訴えた。
スコット副議長は、高弁護士が中共からの圧力に屈せず、民主のために挫けず奮闘していることに敬意を表し、引き続き高弁護士の状況を観察するのと同時に、力を尽くして、EUの人権閣僚が高氏のような中国の民主活動家と面会するよう促していく考えを示した。
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