人民元切り上げでバブル経済の破綻

2005/05/16
更新: 2005/05/16

【大紀元5月16日】台湾銀行本社社長・李勝彦氏はこのほど、為替レートから見れば、中国の経済は無限に膨張していくことがありえず、家屋不動産価格への支えが失われると、人民元の切り上げは金融危機を引き起こし、それで中国大陸のバブル経済は破滅するはずだと指摘した。

李勝彦氏によれば、中国国内にとっては、中国の経済はこの二、三年にわたって、インフレーションの勢いが加速している。上海の家屋不動産を例にすれば、2002年、一平方毎に450ドルだが、2003年590ドルになり、しばらくは750ドルにも上った。この値上がりが驚くほどのスピードで上昇していることは、バブル経済の兆候である。

海外において、欧米各国にとって、中国は輸出超過の国なので、これらの国からの中国の貿易不均衡への非難、そしてますます強くなる人民元の切り上げを求める声や、人民元のドルに対しての固定相場の政策は、余儀なく調整せざるを得なくなる。

台湾経済研究員副研究員・洪財隆氏によれば、固定相場、国内外の資金の自由流動、そして貨幣政策の主権という三つのことは、同時に存在することはありえず、せいぜいこの中の二つのことが同時に存在するだけだとし、これは国際金融における鉄則であるという。

貨幣政策の主権は、最も重要なマクロ的調整方法なので、中共政権はこれを決して放棄せず、そしてこれが放棄すべきでない方法だと思われる。従って、固定相場が当面の間、中共政権の最も可能な放棄される手段であることになる。

李勝彦氏は、次のような見解を示した。中共政権は人民元を切り上げなければ、中国経済に莫大被害を与えられかねない。しかし、中共政権は、一括で人民元を切り上げるか、或は段階的に人民元を切り上げるとしても、巨大な金融リスクを生じるはずである。これも中共政府関係者が、敢行する勇気がない原因の一つである。

同氏の分析によれば、中共政権は、一度思い切って人民元を切り上げれば、海外に予期されている切り上げ後の人民元の資金は、利益を得た後、家屋不動産などのマーケットから離れることは、三つの地雷を起爆につながる。つまり、末端組織の金融不正行為、銀行の不良債権の肥大化、そして企業競争力の低下である。

また、中国のマーケットに入ったすべての資金は、バブル経済の破綻により「消滅する」と同氏は警告している。

(記者・CaiZhuXin)