母が独断で倉を開き民を救った──本来なら重罪のはずが、息子の官吏は逆に乾隆帝から破格の重用へ。親の勇気と子の清廉が導いた「奇跡の逆転劇」を描きます。
ある夜、総督である唐執玉が灯火の前に1人でいたとき、突然かすかな泣き声が聞こえてきました。その泣き声は、だんだん窓に近づいてくるようです。唐執玉は、侍女を呼び「誰が泣いているのか。ちょっと見てきなさい」と指示しました。
紀昀(きいん)の著作『閱微草堂筆記』より「幽霊が自身の冤罪を訴える話」を2つ、ご紹介します。1つは、本当の幽霊による真実の証言。もう1つは、ニセの幽霊による偽証言です。