中国の自動車市場に厳しい冬 繁忙期「金九銀十」が消えた

2026/11/04
更新: 2026/11/04

例年、中国の自動車市場では9月と10月が年間の販売ピークとなり、「金九銀十(9月と10月が従来の繁忙期という意味)」と呼ばれてきた。しかし、吉利控股の桂生悦副会長は、今年はその傾向が初めて見られなくなったと指摘した。

中国の自動車メーカー各社は11月1日、10月の販売実績を一斉に発表した。データによると、大手メーカーの販売台数(納車台数)は伸び悩み、メーカー間で販売実績の明暗が一段と分かれている。

野村証券は、10月の中国国内の自動車販売台数が約25%減少し、需要は2014年並みの水準まで落ち込んだと推計している。

「中国基金報」によると、10月初旬の大型連休や各地で開催された大規模な秋の自動車ショー、販売促進策が重なったものの、月後半には販売店を訪れる客足が急速に通常の水準に戻り、購買需要の盛り上がりは長続きしなかった。

先日開かれた業績説明会で、吉利控股の桂生悦副会長は、今年の自動車業界では「金九銀十」の現象が「初めてほぼ消滅した」と述べ、今後はこうした状況が常態化する可能性があるとの見方を示した。

桂氏は「今は夜明け前の厳しい冬だ」とも語った。

中国乗用車市場情報聯席分会(乗聯分会)も以前、今年の「金九銀十」は各メーカーの販売台数が減少すると予測していた。

9月の全国の乗用車小売販売台数は161万8千台にとどまり、前年同月比28%減少した。10月も28.9%減少し、小売販売台数は約160万台まで落ち込むと予測している。

中国自動車流通協会の調査によると、ディーラーの54.2%が、今年は例年のような繁忙期の効果が明らかに弱まったと回答した。さらに、33.7%は「繁忙期は事実上なくなった」と回答している。

自動車業界の複数の幹部からも、販売台数の減少が顕著になっているとの声が上がっている。

年末の販売増も限定的か 需要低迷と価格競争が続く

11月以降の市場動向について、中国自動車流通協会は、メーカー各社が年末に向けて販売台数の上積みを図り、販売ペースが徐々に加速するとの見方を示した。

11月の販売台数は小幅に回復する可能性があるものの、価格競争が続き、需要も弱いため、大幅な増加は見込みにくいとしている。

今年の自動車市場では、需要の減少や市場全体の販売低迷、競争の激化、自律的な成長力の弱さなどが課題となっている。

供給面では、今年はメーカー各社の新型車投入競争が非常に激しく、1日に7車種もの新型車が発売されることもあった。しかし、新型車の相次ぐ投入は利益の増加につながっていない。

中国自動車市場で淘汰が進む可能性 野村証券が分析

ウォール・ストリート・ジャーナルは11月3日、野村証券のアナリストが報告書で、中国自動車市場は淘汰の段階に入りつつあると分析したと報じた。

アナリストは報告書で、「中国の自動車市場は現在、淘汰の段階に入りつつあると考えている。今後、企業の合併・買収や業界内の協力がさらに進んでこそ、市場心理が改善する可能性が出てくるだろう」と述べた。

同紙は、中国の自動車メーカーが国内市場の低迷を受け、輸出への依存度を高めていると分析した。

しかし、自動車業界にはさらなる逆風も予想される。2027年4月1日から、新エネルギー車の輸出に対する付加価値税の還付率が13%から9%に引き下げられるためだ。

中国乗聯分会の崔東樹氏は中国メディアに対し、還付率が4ポイント引き下げられることで、一部の中小自動車メーカーや低価格車は、より直接的な影響を受けると指摘した。

2026年の自動車販売予測 半年で509万台下方修正

中国乗聯分会は、2026年の自動車小売販売台数が1850万台にとどまると予測している。2025年の2374万4千台と比べ、22.1%の大幅な減少となる見通しだ。

今年4月時点では2359万台と予測していたが、わずか半年で予測値を509万台下方修正した。

任義