イラン原油輸出ほぼゼロ 米国との再交渉に意欲

2026/09/02
更新: 2026/09/02

アメリカによるイランへの海上封鎖の影響が、次第に表面化している。

ロイターは9月1日、イランが約7週間にわたり、ホルムズ海峡を通じた大規模な原油輸出を行っていないと報じた。記録上、こうした事態は初めて。

これまでアメリカがイランに制裁を科した際も、原油の販売量は減少したものの、イランはさまざまな手段で輸出を続けてきた。しかし今回は、米海軍が直接、海上封鎖に乗り出しており、これまでとは状況が大きく異なる。

Kpler、Vortexa、TankerTrackersのデータによると、アメリカが7月14日に封鎖を再開して以降、イラン産原油がホルムズ海峡を通過して中国へ輸送された例は確認されていない。

中国は現在、イランにとって事実上唯一の主要な石油輸出先となっている。新たな原油を運び出せないため、イランはすでにアジアまで運ばれ、洋上に保管されている原油を販売し続けている。

VortexaとKplerの推計では、イランの原油とコンデンセートの積み出し量は、今年3月には1日約200万バレルだったが、7月には約74万バレルまで減少した。8月には約22万〜25万5千バレルに落ち込んでいる。

Vortexaのアナリスト、クレア・ユングマン氏は、アメリカが2019〜2020年に「最大限の圧力」政策を最も厳しく実施していた時期でさえ、毎月一定量のイラン産原油がホルムズ海峡を通過していたと説明した。これほど長期間、輸出がほぼゼロの状態が続くのは、前例がないとしている。

その一方で、イランでは輸出できない原油が積み上がっている。

TankerTrackersによると、ホルムズ海峡内には現在、29隻のタンカーがとどまっており、合わせて3600万バレルを超える原油を積んでいる。封鎖区域の外には、まだ販売可能なイラン産原油が残っているものの、在庫は減少している。原油を売却した後も、空船は封鎖のためイランの港に戻れない。

原油輸出の停滞は、イランの収入減にも直結する。分析では、外貨収入がさらに圧迫されるとの見方が出ている。国際通貨基金は、イランの今年のインフレ率が70%近くに達していると推計している。

こうした中、イランのペゼシュキアン大統領は9月1日、改めて停戦の意思を示した。

キルギスで開かれた上海協力機構首脳会議で、ペゼシュキアン氏は、アメリカが今年6月の停戦合意での約束を履行すれば、イランも直ちに同等の措置を取ると述べた。

また、ペゼシュキアン氏は同日、ロシアのプーチン大統領とも会談した。戦争や制裁をめぐるロシアのイラン支持に謝意を示し、両国が協力して米国の「一方主義」に対抗できるとの考えを示した。

イランの原油輸出がほぼ停止する中、イランがこの状況をあとどれほど持ちこたえられるのかが注目される。