米中央軍は9日、米軍が過去1週間にイランの石油タンカー10隻を破壊したと明らかにした。このうち一部は、イラン革命防衛隊の資金源となっている秘密の石油輸送網に属していたという。
一方、イラン側は新型ミサイルで米軍艦艇を攻撃したと主張している。米側は、中露が米軍艦艇の追跡を支援している可能性を警戒している。
戦闘の激化を受け、ブレント原油先物は1バレル=100ドルを突破した。
米中央軍は8日、映像を公開し、米軍がイランの原油輸送船5隻を破壊したと発表した。過去2日間にイランが米軍艦艇へのミサイル攻撃を繰り返したことへの対抗措置だとしている。
このうちタンカー「リスコ号」はオマーン湾で攻撃を受けて沈没した。別のタンカー1隻は、イランの主要エネルギー拠点であるハールク島付近で破壊された。
ルビオ米国務長官は、「事態の構図は非常に明快だ。イランは米海軍艦艇への攻撃を繰り返し試みている。そして、攻撃する、あるいは攻撃を試みるたびに、石油タンカーを失っている」と述べた。
米中央軍によると、米軍は過去1週間だけでイランの石油タンカー10隻を破壊した。これらの船舶は数十億ドル規模の秘密輸送網に属し、革命防衛隊の資金源になっていたという。
イラン側は9日未明、ヨルダンの米軍基地に報復攻撃を行ったと発表した。また、ホルムズ海峡付近の船舶10隻を攻撃し、この中には米海軍の駆逐艦2隻も含まれていたと主張した。
これに対し米軍は、イラン側の主張を「完全な捏造」と否定した。
米政府当局者はウォール・ストリート・ジャーナルに対し、米軍の統合防空・ミサイル防衛システムによってイランの攻撃は成功せず、ヨルダン駐留の米軍要員は全員無事だと語った。
ただ、この当局者は、イランが米軍艦艇への攻撃を相次いで試みていることに懸念を示した。イラン政権がより高度な兵器を使用している可能性に加え、中露が米軍艦艇の追跡を支援している可能性もあるという。
中東に展開する米海軍部隊の指揮官を務めたジョン・ミラー退役海軍中将は、米軍がイランの戦場での偵察能力を大幅に削いだにもかかわらず、それでもイランが米軍艦艇を狙い続けていることは重大な懸念材料だと指摘した。
イランメディアによると、イラン当局者は、高度な機能を備えた新型ミサイルを使って米軍艦艇を攻撃していると主張している。
兵器専門家は、こうしたミサイルには光電式の誘導装置(シーカー)が搭載されている可能性があり、画像情報を使って移動中の標的を追尾し、攻撃できると指摘している。
アメリカとイランの緊張が一段と高まるなか、ブレント原油先物は9日も上昇し、一時1バレル=100ドルを突破した。一方、米主要株価指数は下落した。
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