中国 顔と声を盗み、AIで本人になりすます

「ちょっと読んで」が危ない 中国でAI悪用の新手詐欺

2026/08/16
更新: 2026/08/16

「老眼で見えないので、スマホの文字を読んでもらえませんか」。

そんな何気ない頼み事が、詐欺の入口になるという。

中国で今、通行人にスマートフォンの数字や文章を読み上げさせ、その顔と声をAIで複製する新手の詐欺が話題になっている。

中国メディアによると、上海では8月13日、女性が見知らぬ高齢者からスマホ画面を読んでほしいと頼まれた。だが画面には「私は内容を理解し、同意します」といった、ただの読み上げとは思えない文言が並んでいた。女性は不審に思い、読まずにその場を離れた。

こうした手口は中国各地で確認されているという。詐欺グループは「老眼で見えない」などと通行人に声をかけ、スマホに向かって数字や文章を読ませ、その顔と声を録画する。それをAIで加工して本人になりすまし、ネット融資などの本人確認を突破して金を借りるという。

被害者は自分では何も契約していないため、後になって借金の督促を受け、初めて異変に気づく恐れがある。複製された声が、家族や友人をだます別の詐欺に使われる可能性もある。

AI時代の詐欺で狙われるのは、財布や暗証番号だけではない。「ちょっと読んであげる」という数秒の親切から、顔と声まで盗まれる時代になっている。

李凌
中国出身で、日本に帰化したエポックタイムズ記者。中国関連報道を担当。大学で経済学を専攻し、中国社会・経済・人権問題を中心に取材・執筆を行う。真実と伝統を大切に、中国の真実の姿を、ありのままに、わかりやすく伝えます!