中国で、ホテルに泊まらず車の中で寝ながら旅をする「車中泊旅行」が急速に広がっている。
8月15日には、中国のSNSで「車中泊が大流行、ホテルが悲鳴」との話題がトレンド入り。関連投稿の閲覧数は1億回を超え、中国メディアも相次いでこの現象を取り上げている。
人気の理由は、何より安さだ。ある旅行者は雲南省を4日間旅行し、充電代や食費、ホテル1泊を含めても約1000元(約2万円)。別の旅行者は3カ月で1万キロ以上を走り、道路代約2000元(約4万円)、食費約1万元(約2万3千円)で旅を続けた。
なかには小型炊飯器を車に積み、自炊してさらに出費を抑える人もいる。特に新疆や雲南、内モンゴルなどを車で巡る長距離旅行では、車が移動手段と宿泊場所を兼ねるため、ホテルを探す手間も宿泊費も抑えられる。
ブームを後押ししているのがEV(電気自動車)の普及だ。最近は、後部座席を倒すと約1.9メートルの寝床になり、車内で一晩エアコンを使える「キャンプモード」を備えた車種も増えている。
車中泊用品も売れている。車内用マットレスは80~200元(約1900~4700円)ほどで、中には60万枚以上売れた商品もある。折りたたみ桶や炊飯器、小型ポンプ付きのシャワーなどを車に積み込み、車そのものを「小さな宿」にする人も増えている。
もちろん、車内は狭く、長旅では疲れやすい。子ども連れには向かないとの声もある。
それでも宿泊費を大きく削れる魅力は大きく、その影響はホテルにも及び始めた。一部では夏休みに満室でも、売り上げが前年より3割近く減ったとの声も出ている。
「旅行はやめない。でも、ホテルには泊まらない」。
車中泊はもはや一部の旅行好きだけのものではない。「ホテルが慌て始めた」と話題になるほど、中国の旅の風景を変えつつある。
ご利用上の不明点は ヘルプセンター にお問い合わせください。