中国駆逐艦 日本EEZ内で実弾射撃 中露艦艇が沖ノ鳥島周辺から硫黄島方面へ航行

2026/07/22
更新: 2026/07/22

中国海軍のミサイル駆逐艦が7月19日、日本最南端の沖ノ鳥島(東京都)の南西およそ180キロメートルの日本の排他的経済水域(EEZ)内で実弾射撃を行っていたことが確認された。防衛省統合幕僚監部が21日に公表した。中国艦艇によるEEZ内での射撃について、防衛省が公表するのは初めてとみられる。

射撃を行った駆逐艦は、ロシア海軍のフリゲートを含む4隻の艦隊の一部で、これらの艦艇は宮古海峡を通過した後、沖ノ鳥島周辺を経て硫黄島の東方海域へと進み、日本の太平洋側を北上した。

さらに同じ週、南西諸島から北海道北方の宗谷海峡に至るまで、中国およびロシアの艦艇の活動が相次いで確認された。単発の事案ではなく、日本列島周辺で多方面にわたり同時期に展開された一連の動きである。

沖ノ鳥島周辺での射撃の詳細

統合幕僚監部によると、海上自衛隊は7月19日午前2時ごろ、沖ノ鳥島の南西およそ330キロメートルの海域で、北東に進む中国とロシアの艦艇あわせて4隻を確認した。

内訳は、中国海軍のレンハイ級ミサイル駆逐艦(艦番号103)、ルーヤンⅢ級ミサイル駆逐艦(艦番号124)、フチ級補給艦(艦番号903)、それにロシア海軍のステレグシチー級フリゲート(艦番号343)である。

このうち、ルーヤンⅢ級駆逐艦(124)が、沖ノ鳥島の南西およそ180キロメートルの日本のEEZ内で射撃訓練を実施した。報道によると、射撃は機関銃によるもので、事前に周辺の船舶に対して無線で通知が行われていたという。船舶への被害は確認されていない。

警戒監視と情報収集には、海上自衛隊第2水上戦隊の護衛艦「さみだれ」(呉)があたった。

艦隊の航行経路

防衛省の発表をもとに整理すると、これらの艦艇は日本の南西海域から太平洋側へ回り込む形で移動していた。

7月16日には、沖縄本島と宮古島の間を南下し、東シナ海から太平洋へ進出した。その後、19日未明には沖ノ鳥島南西およそ330キロメートルの海域で北東に進んでいるのが確認された。

同日、沖ノ鳥島南西およそ180キロメートルのEEZ内で実弾射撃が行われ、21日早朝には南硫黄島の南東およそ170キロメートルの海域で北東に進み、その後、硫黄島の東およそ220キロメートルの海域を北上した。

中国と ロシア海軍艦隊の航行経路。(防衛省統合幕僚監部)

宮古海峡は、中国海軍が東シナ海から太平洋へ進出する際の主要な航路の一つとされている。

同時期に確認された各地の動き

統合幕僚監部は21日、このほかにも複数の艦艇の動きを公表している。

中国海軍のドンディアオ級情報収集艦(796)は、18日に宮古島の南およそ90キロメートルで確認され、19日には沖縄本島と宮古島の間を北西に進んで東シナ海へ向かった。

また、ロシア海軍のキロ改級潜水艦とイゴリ・ベロウソフ級潜水艦救難艦の2隻は、19日に西表島の北およそ50キロメートルで確認され、その後、与那国島と西表島の間を通って太平洋へ進んだ。

さらに、ロシア海軍のタランタルⅢ級ミサイル艇2隻とアムガ級ミサイル補給艦は、20日に礼文島の北西およそ60キロメートルで確認され、宗谷海峡を東に進んだ。

政府の対応

日本政府は、今回の射撃について、周辺海域の船舶の安全に影響を与えるおそれがあるとして、外交ルートを通じて中国側に申し入れを行った。

木原官房長官は21日の記者会見で、「中露両軍の連携強化の動きの一環と認識している。懸念を持って動向を注視していく」と述べた。

また、小泉防衛相は、訪問先のイギリスで行った講演の中で、中露両軍が日本のEEZ内で実弾演習を行ったとしたうえで、「軍事協力を強めている」との認識を示した。

一方、中国側は、今回の訓練について「国際法に合致している」としている。

防衛省は、EEZ内での軍事訓練そのものは国際法上、直ちに違反となるものではないと説明している。国連海洋法条約では、他国のEEZ内での軍事活動は原則として禁止されていないとされている。