【独占】「日本とは違い 中国は豊かになる前に高齢化」 専門家が中国経済停滞の構造を分析

2026/07/15
更新: 2026/07/15

不動産バブルの崩壊に加え、内需の低迷や投資の減速によって、中国経済は成長を支えてきた中核的な原動力を失いつつある。さらに米中貿易摩擦や世界的なサプライチェーン再編が中国依存からの脱却を加速させる中、中国経済は今後どこに成長の牽引役を見いだすのか。財経作家でベテランメディア人の和陽氏に聞いた。

過去数十年、中国では不動産が経済を支える最大の柱の一つとされてきた。しかし、その基幹産業のバブルが崩壊したことで、連鎖反応はドミノ倒しのように社会全体へ広がり、国民の資産や景況感にも深刻な影響を及ぼしている。

和氏は「不動産は数十もの関連産業に波及効果を持つ真の基幹産業だった。その柱が崩れた結果、国民も政府も企業も資金不足に陥っている。企業は次々と倒れ、中国社会は急速な高齢化にも直面している」と指摘した。

また、「日本は豊かになってから高齢化したが、中国は豊かになる前に高齢化が進んでいる。これは極めて深刻な問題であり、中国人を待ち受けるのは激しい嵐だけだ」と危機感を示した。

「豊かになる前に老いる」現実に加え、中国共産党政権が民間企業への締め付けを強めていることも経済活力を奪っているという。アリババ創業者の馬雲氏やテンセント創業者の馬化騰氏の企業には巨額の制裁金が科され、資産も大幅に減少した。こうした事例が民間企業家の間に「目立たない方が安全だ」という防衛的な心理を広げている。

和氏は「企業家は『会社を大きくすれば共産党に目を付けられる。それなら大きくする必要はない』と考えるようになる。そうなればイノベーションも、積極的な事業拡大も、雇用創出も期待できない。以前は『1億元あれば十分』と考えていたが、今では1億元持っているだけでも当局に狙われかねない。共産党は資金不足だからだ。そうなれば、さらに『寝そべり(努力を放棄する生き方)』を選ぶようになる」と語った。

投資の勢いが鈍り、個人消費も低迷する中、中国経済を支える「投資・消費・輸出」の三本柱のうち、すでに二つは機能不全に陥り、輸出だけが主要な成長エンジンとなっている。しかし、米中貿易戦争に加え、欧州連合(EU)の貿易防衛措置や地政学的リスクを背景とした世界的なサプライチェーン再編が進み、中国の輸出環境も一段と厳しさを増している。

和氏は「世界のサプライチェーン再編の本質は、中国の競争優位を封じ込めることにある。すでに優位性を確立した分野は維持できるかもしれないが、さらに飛躍するのは難しい。半導体のように、まだ競争力を確立できていない分野は、米国や欧州、日本、台湾などによって封じ込められ、発展は極めて困難になるだろう」との見方を示した。

こうした状況の中、中国経済の次の成長エンジンはどこにあるのか。和氏は一時大きな注目を集めた中国のAIモデル「DeepSeek」を例に挙げ、「局所的な技術革新だけでは経済構造そのものを変えることはできない」と指摘した。

和氏は「中国の環境でもDeepSeekのような企業は生まれる。しかし、その成長は百度(バイドゥ)程度が限界だ。時価総額が数百億~1000億ドル規模の企業が一社二社あっても、中国経済全体を変える質的な変化は起こせない」との見方を示した。

さらに「米国には時価総額1兆ドル級企業が約10社あり、1000億ドル級企業が数十社、100億ドル級企業が200~300社存在する。こうした企業群が絶え間ないイノベーションを生み出している。中国にはそのような層の厚さがない。企業の質も量も不足しており、中国経済を支える新たな成長の原動力は見当たらない」と述べた。

国際通貨基金(IMF)はこれまで中共政権に対し、「投資・輸出主導型」から「消費主導型」への構造改革を急ぐよう求めてきた。しかし北京当局は改革に消極的で、依然として「党が経済を指導する」方針を強調している。

和氏は「共産党は経済問題を深刻に認識しているにもかかわらず、コロナ禍以降の政策は依然として生産能力、輸出、投資の拡大ばかりだ。国民に現金をもっと配り、消費マインドを回復させる勇気もない」と分析した。

「社会保障や医療保険へ資産を移し、国民が安心して消費できる環境を整えることもしない。結局、中共は中国経済の成長を支える原動力が何なのか理解できず、長年にわたり思考の袋小路にはまり続けている」

その上で和氏は、「中国経済にとって最も重要な成長の原動力は、共産党が政権を退くことだ。共産党が倒れて初めて、中国国民はより良い生活を送ることができる」と強調した。

新唐人