出生地主義めぐり米上院議員が警鐘 「中共軍高官の妻による米国出産を許さない」

2026/07/03
更新: 2026/07/03

米連邦最高裁は6月30日、トランプ大統領が出生による市民権(出生地主義)の廃止を目指して出した大統領令を退けた。この判断に対し、一部の共和党議員から批判の声が上がっている。共和党のエリック・シュミット上院議員は、今回の判断がアメリカの国家安全保障を脅かし、特に中国共産党(中共)からの脅威に対してアメリカをより危険にさらす可能性があると指摘した。シュミット氏は「中共軍の将官が妻をアメリカに渡航させ、出産させるようなことを許してはならない」と強調した。

シュミット氏は、2日に配信されたFoxニュースのインタビューで、こうした国家安全保障上の脅威に対応するため、米議会と政府が出生地主義を制限するために取り得る一連の措置について説明した。

同氏は「私はこの問題を前に進めたい。本当に、アメリカの将来がかかっていると考えているからだ」と述べた。さらに、「中共軍の将官たちが妻をアメリカに送り、子どもを産ませ、その子どもがアメリカ市民になるようなことを許すわけにはいかない。あまりにもばかげている」と語った。

トランプ氏は6月30日、出生地主義をめぐる最高裁の判断について、中共にとって「大きな勝利」だと述べた。

シュミット氏は以前にも、中共が「人々をアメリカに送り込んで子どもを出産させている」と指摘していた。これにより、最大150万人の中国籍の人々がアメリカ市民権を得ているとし、その多くは人生の大半を中共支配下で過ごしているにもかかわらず、アメリカの選挙で投票し、アメリカの教育機関を利用し、米政府の福祉を受けることができると主張した。

今年3月に開かれた議会公聴会で、シュミット氏は政府説明責任研究所のピーター・シュワイザー所長に対し、次のように質問した。

「あなたは、中共エリート層の間で『出生地主義』を利用する動きが広がっていると述べた。中共はこの現象を奨励していると考えるか。もしそうなら、なぜそのようなことをするのか」

これに対し、シュワイザー氏は「実際の行動を見れば分かる」と答えた。中共の機関紙「人民日報」が、読者に向けて、アメリカで認められている憲法上の権利について説明する記事を掲載したことがあると述べた。

「皮肉なことに、中共当局者が自国のエリート層に対し、アメリカの憲法上の権利を説明している。しかし、実際にそうしているのだ」とシュワイザー氏は語った。

また同氏は、「中国メディアはこの問題を取り上げているが、批判的には報じていない」と指摘し、「したがって、私は中共がこうした行為を奨励していると考えている」と述べた。

中共がなぜアメリカでの出産を促すのかについて、シュワイザー氏は香港の例を挙げて説明した。香港でもかつて同様の現象が起きていたが、2013年に香港政府はこうした出産の受け入れを停止した。当時、本土から来た人々の子どもが香港であまりにも多く生まれており、中共が進める一種の体制揺さぶりの動きと見なされたためだという。

シュワイザー氏は「これが背後にある動機を正確に示していると思う」と述べた。

米最高裁が出生地主義をめぐる判断を示したことを受け、一部の議員は憲法改正によってこの問題に対応すべきだと主張している。一方で、法律の制定によって解決を図るべきだとする議員もいる。シュミット氏は、いずれの方法も支持している。短期、中期、長期の解決策を同時に進めるべきだという立場だ。

同氏は「短期的には行政措置がある。中期的には議会が立法措置を取ることができる。そして長期的には憲法改正が必要になる。私は、これらすべてを進めるべきだと考えている」と語った。また、最高裁判断を覆す最も直接的な方法は憲法修正案を通すことだとしつつも、議会による立法のほうがより現実的な道筋になり得るとの見方を示した。シュミット氏は、ブレット・カバノー最高裁判事が示した考えに沿って、この問題を進めようとしている。

カバノー判事は、出生地主義をめぐる判断に関する意見書の中で、議会は憲法修正第14条に反しない範囲で、憲法を修正するか新たな法律を制定することにより、出生地主義に一定の制限を設けることができると述べた。ただし、「議会はまだそうしていない」と指摘した。

シュミット氏は、上院司法委員会の憲法小委員会で委員長を務めている。最高裁の判断が出た当日、同氏はXに投稿し、最高裁多数派の判断は「議会に一つの道を残した可能性がある」と述べた。

さらに、「私はその可能性を踏まえた法案を提出している。同時に、アメリカの市民権制度を見直すため、憲法修正案の推進にも引き続き取り組む」と表明した。

張婷