北京 対EU貿易黒字の縮小を示唆 EUは10月までの成果求める

2026/07/03
更新: 2026/07/03

香港紙「サウスチャイナ・モーニング・ポスト」は7月2日、複数の消息筋の話として、中国共産党(中共)が今週ブリュッセルで行われたEUとの貿易協議で、対EUの巨額の貿易黒字を縮小する方法を探る意向を示唆したと報じた。

中共はまた、EU製品の購入を増やす意向も示した。これは、EUが新たな対中貿易措置の導入を検討し、双方に10月までの具体的な進展を求めている中での動きである。

6月29日、中共の王文濤商務相は、EUのマロシュ・シェフチョビッチ貿易担当委員との会談でヨーロッパ製品を対象とする購買協定の締結を検討する用意があると述べた。協議では、EU製品に課している関税の引き下げも議題となった。

同紙によると、中共側が、日々数十億ユーロ規模に上る対EU貿易黒字が政治問題化していることを認めたのは異例である。さらに北京は、EU加盟27か国への輸出急増を抑える用意があるとも表明した。

中国からの輸出急増をめぐっては、低価格で品質も向上している中国製品によって、ヨーロッパの製造業者が圧迫されるのではないかとの懸念が高まっていた。

複数の消息筋によれば、王文濤はヨーロッパからの輸入拡大に、これまでよりも前向きな姿勢を示したという。

これまで中共は公式の場で、EUの巨額の対中貿易赤字の問題を一貫して軽視し、それはヨーロッパ市場で中国製品への需要が強いことの自然な結果だと説明してきた。

王文濤の今回の発言は、EU加盟国が6月に対中貿易問題をめぐって議論し、対中政策を強化するための新たな対応策を模索している時期と重なる。

EUは、大量の中国製品がEU市場に流入するのを抑えるため、特に重要産業を対象に関税割当制度の導入を検討している。この制度は「セーフガード」と呼ばれる二段階の仕組みで、一定量の製品については低い関税でEU域内への輸入を認める一方、割当量を超えた輸入品にはより高い関税を課す。

7月1日、シェフチョビッチ氏はEU各国の大使に協議内容を説明した。その中で、交渉が不調に終わった場合に備え、欧州委員会が今年後半に、欧中貿易の不均衡に対応する2つの新たな仕組みを策定する方針を確認した。

1つ目は「多元化ツール」で、企業に供給元の拡大を義務づけ、重要分野で危険な依存関係が生じるのを避けることを目的としている。

2つ目は「連帯メカニズム」で、貿易摩擦で報復を受けた企業を補償する仕組みである。理論上、この制度は、EUが必要に応じて貿易摩擦を強める余地を広げる。加盟国政府が、自国企業への報復を懸念して慎重になる姿勢を和らげられるためだ。

シェフチョビッチ氏はまた、中共との交渉について10月を期限に設定し、「実質的な成果」を求めた。この日程は、EU首脳が6月に欧州委員会に与えた方針と一致している。EUは秋までに、現在の不均衡なEU・中国関係に対応する新たな手段を整える構えだ。

7月2日、ドイツはEUが中共に対してより強硬な貿易政策を取ることを支持すると表明した。中共の「不公正な競争」に対応するため、業界全体を対象とする措置を取るべきだとの考えも示している。

5月には、EUの対中貿易赤字が前年同月比で15%増加した。なかでもドイツの対中貿易赤字は31.6%拡大した。

2025年には、EUの対中貿易赤字が4100億ドルを超える水準まで膨らんだ。EU首脳は、この水準は「持続不可能」だと指摘している。

林燕