6月22日から7月1日にかけて実施されている多国間共同訓練「ヴァリアント・シールド2026」で、アメリカ海軍の両用ドック型輸送艦「ジュノー」(USS Juneau、艦番号LPD-10)は、海上自衛隊の潜水艦が発射した魚雷の命中により沈没した。
「ジュノー」はオースティン級両用ドック型輸送艦で、すでに退役していた。マリアナ諸島演習場で行われた同演習期間中に撃沈された。
アメリカ海軍第5空母打撃群および第70任務部隊の司令官、エリック・アンドゥーズ少将は、「今回の実弾撃沈演習は、統合部隊にとって各領域にまたがる作戦能力を統合し、太平洋戦域における海上作戦に必要な精密打撃能力や共同作戦能力を高める機会となった」と述べた。
アメリカ海軍の発表では、演習に参加した部隊の詳細は明らかにされていない。一方、アメリカ国防総省が公開した画像によると、「ジュノー」に対する最終的な致命打は、海上自衛隊の潜水艦が発射した魚雷によるものだったとみられる。「ジョージ・ワシントン」空母打撃群の航空機も、今回の演習に関連する支援任務に参加した。
また、日本の自衛隊統合幕僚監部が6月28日に公開した写真によると、海上自衛隊のSH-60ヘリコプターが「ジュノー」に対してAGM-114「ヘルファイア」ミサイルを発射したほか、海上自衛隊の護衛艦が90式対艦ミサイルを発射した。
多国間連携が示すインド太平洋戦略
アメリカ海軍によると、多国間共同訓練「ヴァリアント・シールド2026」は、アメリカ、日本、オーストラリア、カナダ、ニュージーランドが参加する隔年の演習である。海・空・宇宙・陸に加え、サイバー空間を含む各領域で、探知、識別、追跡、交戦といった一連の作戦を通じ、統合部隊の運用能力の向上を図ることを目的としている。
「ジュノー」は1969年に就役し、ベトナム戦争や湾岸戦争(砂漠の嵐作戦)に参加した。2008年に退役後はハワイの真珠湾に係留されていた。アメリカ軍や同盟国は、実戦に近い環境で兵器の運用能力や信頼性を確認するため、この艦を用いた演習を実施したとしている。
アメリカ海軍によると、実弾撃沈演習の前には、対象となる艦船に対して環境面での処理が行われる。具体的には、変圧器や大型コンデンサーに含まれるポリ塩化ビフェニル(PCB)の除去、小型コンデンサー内の同物質の可能な限りの除去のほか、ごみや浮遊物、水銀やフッ素化合物を含む材料、取り外し可能なPCB含有物の除去が行われる。また、燃料タンクや配管、貯蔵タンクに残る石油成分も取り除かれる。
さらに、環境・安全・衛生の担当者や品質保証の責任者が現場で確認を行い、こうした処理が適切に実施されているかを検証するとしている。
ご利用上の不明点は ヘルプセンター にお問い合わせください。