仏上院 超ファストファッション規制法案を可決 SHEINなど念頭に罰金へ

2026/06/30
更新: 2026/06/30

フランス上院は29日、超ファストファッション小売業者に罰金を科す法案を可決した。安価な衣料品を大量に販売するビジネスモデルが環境に与える影響を抑えるとともに、ヨーロッパ市場に低価格衣料を大量供給している中国系EC大手を規制する狙いがある。

SHEINやTemuなどの超ファストファッション小売業者やECプラットフォームは、流行を取り入れた衣料品を低価格で提供し、フランスを含む米欧諸国で急速に存在感を高めてきた。一方で、国内の既存小売業者に圧力をかけており、規制強化を求める声も広がっていた。

この法案は約2年半前に初めて提出された。下院にあたる国民議会が先週可決したのに続き、上院も29日に可決し、法制化に向けて前進した。

法案は、超ファストファッションの商品は注文や買い替えが容易で、繊維産業による汚染を悪化させていると指摘している。繊維産業は、世界の温室効果ガス排出量の約10%を占めるとされる。議員らには、近年フランスで急速に拡大している中国系EC企業を規制する狙いがある。

今回可決された法案によると、修理するより買い替えた方が安いほど低価格の商品を、大量かつ短期間に投入する企業には罰金が科される。「超ファストファッション」と認定された企業は、2026年から商品1点あたり最大6ユーロ(約1100円)の罰金を科される可能性があり、2030年には最大10ユーロに引き上げられる。

SHEINは、自社が超ファストファッション小売業者であることを否定している。同社は、小ロットで生産し、需要が確認された後に追加生産する自社のモデルについて、「問題の一部ではなく、解決策の一部だ」と主張している。

Temuは、自社を消費者とメーカーを直接つなぐオンラインマーケットプレイスと位置づけており、この仕組みによって低価格を維持できるとしている。

29日の採決後、SHEINは関連法案の内容を精査していると表明した。また、欧州委員会が以前に示した懸念を改めて指摘した。欧州委員会は、法案の環境面での目的についてはおおむね支持しているが、超ファストファッションの定義、オンラインマーケットプレイスに課される新たな義務、広告禁止措置など、提案の一部に疑問を示している。

今回の措置により、フランスはヨーロッパで初めて、超ファストファッションに特化した規制の導入に近づいた。EUではすでに、繊維製品の持続可能性やオンライン市場をめぐる幅広い規則が整備されているが、SHEINやTemuのような企業のビジネスモデルを直接対象とする法案を可決したのはフランスが初めてである。

フランスの今回の動きは、中国系ECプラットフォームのヨーロッパ流入に各国政府が対応を迫られるなかで出されたものだ。

先週には、ドイツがフランス、オランダとともに、EU全域で超ファストファッションに対する規制を強化するよう欧州委員会に求めた。ドイツ環境省のヨッヘン・フラスバルト政務次官は、「安価な使い捨て衣料を生産することは、もはや競争上の優位性にはならない」と述べた。

欧州環境庁によると、EUでは2022年に約700万トンの繊維廃棄物が発生した。これは1人あたり約35ポンド、約16キロに相当する。

SHEINはシンガポールに本社を置くが、中国で創業し、商品の大半も中国から供給されている。

フランスの議員らは、法案作成にあたり、SHEINやTemuのような短い生産サイクルを対象とする一方で、Zara、H&M、Mangoなどヨーロッパのファストファッション企業に過度な影響が及ばないよう、対象の絞り込みにも配慮した。これらヨーロッp企業の商品サイクルは、比較的により緩やかだとされる。

林燕