スマホを取り上げたら、紙になって戻ってきた。
中国で今、小学生の間に「アナログTikTok」とも呼べる奇妙な商品が流行している。
これは、中国版TikTok「抖音(Douyin)」の動画やコメント欄などを紙に印刷し、何十枚もの紙を指で次々とめくりながら楽しむものだ。学校の売店などでは、小学生でも気軽に買える100円弱で売られているという。
中国の学校では、スマホの持ち込みや動画視聴が厳しく制限されている。しかし、子供たちの「見たい」という気持ちは消えなかった。そこに目を付けた商人たちが、新たな商品を生み出したのだ。
ネット上では、「そこまでして見たいのか」「禁止されるたびに新しい抜け道が生まれる」など、呆れや驚きの声が広がっている。
もっとも、こうした問題は中国だけの話ではない。
子供のスマホ依存やショート動画への過度な没頭は、世界共通の課題になっている。
とくにTikTokなどのショート動画は、刺激の強い映像が延々と流れ続けるため、「考える時間」を奪うとの指摘もある。依存や集中力低下だけでなく、勉強離れ、睡眠不足、過激な流行の模倣、モラルの低下など、子供への悪影響を懸念する声が世界中で高まっている。
そのため各国でも対策が進んでいる。インドネシアは16歳未満のSNS利用を制限し、オーストラリアも16歳未満の利用規制を強化。台湾でも12歳未満のTikTokアカウント作成を禁止し、学校内で利用制限を実施している。
そして今回、問題なのは紙そのものではない。
短い刺激的な動画に慣れた子供たちが、スマホがなくても同じ体験を求めるようになっていることだ。
スマホを取り上げたら、紙になって戻ってきた。そんな笑い話のような出来事の裏側で、子供たちを夢中にさせるショート動画の影響力は、私たちが思っている以上に大きくなっているのかもしれない。
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