米FBIが中共工作員疑惑で米記者摘発 「報告書は習近平に」と供述も 

2026/05/26
更新: 2026/05/26

中国で10年以上活動し、中国共産党系メディアに勤務していたアメリカ人記者、トーマス・ウィア・ポーケン2世(筆名トム・マクレガー)が、中国当局の代理人として違法活動を行った疑いで米連邦捜査局(FBI)が逮捕していたことが分かった。アメリカ司法当局は、中共政権による対米浸透工作の一端を示す事案として重視している。

裁判記録によると、ポーケン被告は今週、「起訴前認罪聴聞会」に出廷予定で、司法取引に応じて罪を認める可能性が高い。

被告は、アメリカ司法長官への届け出を行わず外国政府の代理人として活動したとして、アメリカ連邦法第951条違反で起訴した。同法違反は、一般的な「外国代理人登録法(FARA)」違反より重く、最高10年の禁錮刑が科される。

FBIの宣誓供述書によれば、被告は2019年以降、中共国家安全部の女性工作員「Cathy」の指示を受け活動。トランプ政権入りの可能性がある関係者への接触を命じられていた。

被告はFBIに対し、「自分の報告書は習近平国家主席に直接渡される」と説明を受けていたと供述。さらに、中共側から訪米費用として毎回7~8千ドルを受け取り、累計10万ドル以上の報酬を得ていたとされる。

FBIは今年1月の入国時から被告を監視していたが、中共側に察知されることを避けるため、直ちには拘束しなかった。今年2月、ワシントン市内のホテルで関係者にSIMカードを渡し、政策報告と引き換えに1万ドルを支払う約束をした際、現場を監視していたFBIが逮捕した。

被告は中国滞在中、中国国際放送、中央テレビ(CCTV)、中国環球電視網(CGTN)、新華社通信など中共系メディアで勤務。2019年には米中貿易戦争に関する著書も出版していた。

一方、弁護側は「スパイ事件ではない」と反論。「機密情報の不正取得ではなく、必要な登録手続きを怠った問題に過ぎない」と主張している。

ただ、認罪聴聞会を予定していることから、被告側が一定の罪を認める方向で調整が進んでいるとの見方が強い。

今回の事件は、アメリカ司法省が中国など外国政府による影響力工作への摘発を強化している現状を改めて浮き彫りにした。