武器輸出規制緩和後 日本がインドネシアと防衛協力協定に署名

2026/05/06
更新: 2026/05/06

小泉進次郎防衛大臣は4日、ジャカルタでインドネシア国防大臣シャフリー・シャムスディンと防衛協力協定に署名した。同協定では、人員交流、教育・訓練、防衛産業、共同訓練、災害対応など幅広い分野における両国の防衛協力の枠組みを定めている。

防衛協力の拡大を目的とする同協定「防衛協力取決め(DCA=Defence Cooperation Arrangement)」の署名により、国防装備・技術分野における両国の協力が明文化された。日本が近年、殺傷性兵器の輸出禁止を撤廃したことで、これが可能となった。

インドネシアはマラッカ海峡に面し、戦略的に極めて重要な位置を占める。米エネルギー情報局(EIA)によると、マラッカ海峡は世界で最も通過量の多い石油・液化石油製品の輸送ルートであり、中国向け石油の大半がこの海峡を経由する。先月、米国とインドネシアは「主要防衛協力パートナーシップ」の樹立を発表した。

防衛協力取決め署名、新たな対話メカニズムを設置

防衛省は5月4日、小泉大臣とシャムスディン大臣の共同声明を公表した。声明では、両国防衛当局が「包括的戦略パートナーシップ(Comprehensive Strategic Partnership)」の枠組みのもと、人員交流、教育・学術研究、共同訓練、海上安全保障、人道支援・災害救援、国防装備・技術といった分野での防衛協力を着実に強化してきたことを両大臣が歓迎した旨が記されている。

両国は防衛協力取決め(DCA)を締結したほか、装備・技術協力を含む政策課題を協議する高官級の「総合防衛対話メカニズム」を新設。作戦レベルでは、統合幕僚長とインドネシア国軍司令官の間でハイレベルな対話も実施する。

両大臣はまた、いかなる協力も地域の安定、包摂的な多国間協力、ASEANの中心性に建設的に貢献するものでなければならないと強調した。

さらに、軍事情報保護に関する協議を推進することを確認し、日本・インドネシアにオーストラリア等を加えた多国間協力の形態についても検討することで合意した。

日本、国防装備の輸出を計画

日本は近年、防衛装備移転に関する規制を緩和しており、これが今回のDCAにおける協力の幅を広げた。致死性兵器の輸出のほか、潜水艦、艦艇、ミサイルシステムなどの移転も可能になる。4月21日、日本は法改正を通じ武器輸出規制を緩和。高市内閣は国家安全保障会議(NSC)とともに「防衛装備移転三原則」を正式に改定し、殺傷性兵器の輸出禁止を撤廃するとともに、新たな例外規定を設けた。

改定前、日本の武器輸出には三つの原則が厳格に適用されていた。第一に、救難・輸送・警戒・監視・掃海の五類型を除き装備の移転は認められないこと、第二に、輸出相手国は日本と同盟関係にある国に限ること、第三に、交戦中の国への武器輸出は防衛的なものも含めて一切禁じることである。

インドネシア国営通信社は、DCAが国防装備・技術分野における両国協力の新たな機会を開くものであり、それぞれの需要と国益に基づいて段階的に推進されると報じた。インドネシアのリコ・リカルド・シライト国防省報道官は、この提携はインドネシアの防衛能力を大幅に向上させる戦略的措置だと述べた。

シライト報道官はさらに、インドネシアは日本との協力を通じて技術移転と軍事訓練を獲得し、国内防衛産業と人的資源の強化を図りたいとし、国防省は一連の軍事活動を通じて同協定を具体化していくと語った。

インドネシア、国内防衛産業の発展を目指す

インドネシアのシャムスディン国防大臣は5月4日、ジャカルタで小泉大臣と共同声明を発表した際、防衛産業分野での日本との協力はインドネシアの国内防衛産業の育成に貢献する戦略的措置だと指摘した。

日本は防衛技術分野、とりわけ主要兵器システムの開発において高い実力を持つとして、シャムスディン大臣は技術・知識の移転などを通じ、インドネシア国内防衛産業の水準を引き上げたいとの意欲を示した。

小泉大臣は、中東情勢を含め世界的に紛争が激化する中、インドネシアとの防衛協力は戦略的な措置だと述べ「こうした共通の価値観は、両国および地域全体の平和と安定に大きく貢献する」と語った。

また両国がともに群島国家であり海上防衛の強化が共通の課題であることを挙げ、協力を深めることで双方の防衛能力を向上させながら、二国間関係もさらに発展させていけるとの考えを示した。

両大臣の共同声明には、海上安全保障分野の専門家レベルの協議の進展を踏まえ、両国の海上抑止力の向上に資する防衛装備・技術協力の方向性について合意したことが盛り込まれた。

外務省が4月10日に発表した年次外交青書は、中国共産党が貿易制限や自衛隊機へのレーザー照射といった準戦争的な威圧手段によって日本の戦略的空間を侵食していると指摘。報告書では、中国共産党の位置づけを2016年以来の「最も重要なパートナーの一つ」から、初めて「重要な隣国」へと格下げした。

李思斉