配達員や配車ドライバーなど、いわゆる「自由な働き方」の人たちに対し、中国当局が管理を強めている。不満の広がりを警戒した動きとみられる。
政府は4月27日、新たな管理方針を発表した。対象となるのは、配達員やネット配車ドライバー、通販関係者などだ。こうした人たちは「新しい働き方の人々」と位置づけられ、その数は約8400万人にのぼる。働く人の約5人に1人を占める規模だ。
この層は主に1980年代、1990年代生まれが中心で、出身や働き方もさまざまだ。参入のハードルは低いが、仕事の負担は重く、人の入れ替わりは激しい。
方針では「党の指導を強化する」と明記し、「党の話を聞き、従うよう導く」と強調した。表向きは支援や権利保護も掲げるが、実際は政治的な管理強化が中心とみられている。
中国問題の専門家、王赫氏は本紙の取材に対し、「当局はこの巨大な労働層が反乱を起こすことを恐れている」と指摘する。この層は若く、インターネットでつながりやすく、発信力も強い。動き出せば社会の安定に影響を与えかねないため、予防的に統制を強めていると分析する。
実際に各地で反発の動きが出ている。2025年12月、湖南省では配達員が集まり抗議が発生した。2026年3月から4月にかけては、重慶で配達員が報酬の引き下げに反発し、ストライキを起こしている。現場では「仕事は増えるのに収入は減る」という声が広がっている。
中国資本市場に詳しい徐真氏も本紙に対し、「配達員の集団行動は社会不安の引き金になりつつある」と指摘する。不満はせき止められた水のようにたまり続け、いずれ一気に噴き出す可能性があると警告した。
統制強化は問題の根本解決にはならず、むしろ不満をさらに積み上げる恐れがあると専門家たちが指摘するなかで、社会の緊張は静かに高まり続けている。
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