再エネ政策に野党から見直し論 賦課金高騰 洋上風力コストを相次ぎ追及

2026/04/29
更新: 2026/04/29

政府・自民党が進めてきた再生可能エネルギー政策をめぐり、野党から制度の抜本的な見直しを求める声が相次いでいる。27日の参院予算委員会では国民民主党の上田清議員が再生可能エネルギー賦課金の負担増を取り上げた。4月15日の参院での国会質疑では参政党の議員らが洋上風力発電のコストや安全保障上のリスクが指摘されるなど、野党から政府の再生可能エネルギー政策に疑義が示されている。

国民民主党の上田議員は27日の参院予算委員会で、国民の電気料金に上乗せされている再エネ賦課金について、負担が大きく膨らんでいると指摘。導入当初は1世帯平均で月額88円、年間1056円だったものが、現在では月額1592円、年間約1万9000円に達しているとし、約18倍に増えたと問題視した。

上田議員は、国民の多くが負担増を十分に認識しないまま支払いを続けているとして、大臣告示によって再エネ賦課金を即時撤廃すべきだと求めた。再エネの普及を支える制度が、家計への重い負担になっているとの立場から、制度そのものの見直しを迫った形だ。

これに対し、赤沢亮正経済産業相は、今後のAI普及などに伴い電力需要が大きく増えるとの見通しを示し、その上で、安全性の確保と地域の理解を前提に、再エネを最大限活用していくのが国の方針だと説明。

赤沢産業相は、賦課金による国民負担について、制度の性格上やむを得ない部分があるとの認識を示した。一方で、過度な負担とならないよう制度を適切に運用していく考えを述べるにとどめ、即時撤廃には応じなかった。

参政党の大津力議員も同日行われた参院予算委員会で、洋上風力発電のコスト試算をめぐり、政府の見通しが甘いと追及した。日本特有の台風など過酷な自然環境による故障・修繕リスク、蓄電池の併設費用、設置場所が遠方になるほど増える送電線費用が、政府の試算に十分反映されていないと指摘した。

また、デンマークの風車メーカーであるベスタス社と政府の覚書をめぐっては、海外メーカーの受注確保につながる約束が含まれているのではないかとの懸念も示された。

参政党側は、多額のコストを投じても温暖化対策としての効果は限定的だとして、政府の脱炭素政策に反対し、核融合エネルギーなどへの投資を重視すべきだと主張している。

高市早苗首相は、エネルギー自給率を高める観点から再エネは重要だとの認識を示した。その上で、安全性、コスト、安定供給、環境への配慮を大前提に、日本の技術を生かしたサプライチェーン拡大を図りながら再エネを推進していく方針を示した。

赤沢経産相は、海外メーカーに対して日本政府が受注確保を約束した事実は一切ないと否定した。また資源エネルギー庁は、風力発電の各種コストについて一概に比較、算出することは困難だと説明した上で、技術開発や国内サプライチェーンの構築を通じ、将来的なコスト低減につなげると答弁した。

参政党の後藤翔太議員は、15日の参院での国会質疑で、再エネ推進により中国などへのサプライチェーン依存が深まることや、景観破壊、土砂崩れといった環境面の問題、再エネ賦課金による経済的負担が生じていると指摘した。

後藤議員は、参考人の意見も踏まえ、現行の「2040年に再エネ4〜5割」とする目標は実質的に達成困難だと主張した。再エネ推進をこのまま続ければ日本経済に深刻な影響を及ぼす恐れがあるとし、ペロブスカイト太陽電池など国産の次世代技術を保護、育成すべきだと訴えた。

再エネ政策をめぐっては、政府側がエネルギー自給率の向上や電力需要増への対応を重視する一方、野党側は国民負担、コスト試算の妥当性、海外依存、環境負荷を問題視している。電源構成や再エネ賦課金のあり方をめぐる議論は、今後も国会で続く見通しだ。

エポックタイムズの記者。東京を拠点に活動。政治、経済、社会を担当。他メディアが報道しない重要な情報を伝えます