米イラン協議が中止された後、イランのアラグチ外相は27日、ロシアを訪問し、支援を求めた。外交が行き詰まり、経済的圧力が強まる中、イラン政府がロシアへの依存を深めている実態が浮き彫りになっている。一方、中国共産党(中共)は制裁リスクや地域諸国との関係を考慮し、イラン支援には慎重な姿勢を取っており、「いざという時に頼れない」との見方も出ている。
アラグチ氏は、パキスタン訪問を終えた後、27日にロシアのサンクトペテルブルクに到着し、プーチン氏と会談した。会談では中東情勢を重点的に協議し、紛争をめぐるロシアの仲介と支援を求めた。
アラグチ氏はまた、2回目の協議が予定通り行われなかった責任は、アメリカ側にあるとの認識を示した。
当初、先週末に予定されていた第2回会合は中止された。トランプ米大統領は、イラン国内の混乱が深刻で、実質的な意思決定者がいないため、協議の進展は難しいとの認識を示した。そのうえで、イランに誠意があるなら「電話かけてくればいい」と強調した。
トランプ氏は改めて、アメリカの主な要求は、イランが核兵器開発能力を全面的に放棄することだと表明した。これにより、双方の隔たりが依然として大きいことが示された。
分析では、アラグチ氏の今回の訪露の主な目的は、ロシアの支持を取り付け、現在の外交的な行き詰まりを打開することにあるとみられている。また、ロシアと連携し、ホルムズ海峡の航行をめぐる問題に対応する狙いもある。
ロシア訪問に先立ち、アラグチ氏はイスラマバードとオマーンを相次いで訪問し、対話の継続やホルムズ海峡の航行確保に向けて働きかけた。アメリカがイランの港湾を封鎖した後、石油輸出は大きく阻まれ、イラン経済は深刻な打撃を受けている。
時事評論家で、チャンネル「軍事情報局」の司会者である周子定氏は、「過去数年間、特にウクライナ戦争以降、イランとロシアは協力をかなり強めてきた。とりわけ軍需産業分野での協力が目立つ。ここしばらく、ロシアは可能な範囲でイランに一定の軍事支援を提供してきた。地政学的に見ても、イランとロシアは非常に近く、双方はカスピ海を通じて海上輸送を行うことができる。空路による輸送や補給も比較的容易だ。そのため、イランにとってロシアは当然、より重要な軍事協力相手だ。ロシアが提供できる支援も、中共より多いといえる」と指摘した。
一方、中共もイランと長年協力関係にあるが、今回アラグチ氏がロシア訪問を優先したことは、イランにとってロシアの優先度が高いことを示している。
実際には、今回の衝突をめぐって、中共によるイランへの実質的な支援は非常に限られている。一方ではアメリカの反発や制裁を警戒し、他方ではサウジアラビアなど中東の主要産油国との関係を安定させたい思惑もある。こうした姿勢から、重要な局面で中共を頼りにしにくいとの見方も出ている。
「マーク時空」と「時政春秋」の司会者、馬克氏は「実際の行動を見る限り、中共はイランを明確に支持することをためらっている。重要なのは、欧米の反発を恐れていることだ。また、湾岸諸国との関係にも配慮している。中国が輸入する原油のうち、半分以上は中東地域から来ているからだ」と述べた。
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