アメリカ国務省は4月17日、西半球におけるアメリカの利益を損なう活動に関与する外国人を対象とした査証(ビザ)制限措置を拡大したと発表した。
敵対勢力のために働く人物を標的とするもので、新たに26人の氏名非公表の個人が対象となり、今後も同様の活動に関与する者に対しては追加措置を取る。
今回の措置は、昨年9月に中米地域で導入された枠組みを拡張したもの。当時、ルビオ米国務長官は、中国共産党(中共)のために活動し、中米地域における法の支配を損なう行為に関与した中米諸国の国民に対し、ビザ発給を制限していた。新たな方針では対象を西半球全体に広げ、「敵対国やその代理人、関連企業」も含めるとしている。
国務省は声明で、今回の政策拡大により、アメリカは「西半球におけるアメリカの国益を損なう活動を意図的に指揮、資金提供、または支援する地域諸国の国民」に対するビザ発給を制限するようになると述べた。「これらの個人、およびその近親者は、原則としてアメリカへの入国資格を失うことになる」としている。
対象となる行為には、敵対勢力による重要資産や戦略資源の取得・支配を助長すること、地域の安全保障体制を不安定化させること、アメリカの経済的利益を損なうこと、さらには他国の主権や安定を弱体化させる影響力工作の実施などが含まれるという。
トランプ大統領が昨年12月に公表した国家安全保障戦略では、西半球での優位確保が外交政策の柱と位置付けた。同戦略は、米軍の態勢を大幅に見直し、西半球における新たな脅威へ資源を重点的に配分する一方、相対的に重要性が低いとみなす地域からは関与を縮小する方針を打ち出している。
ルビオ氏は、この政策や自身の同地域歴訪について、「中共の腐敗した影響力」に対抗する狙いがあると強調。昨年9月には、パナマ駐在のケビン・マリノ・カブレラ大使がXで、「中共の腐敗し悪質な影響力は中米地域の安定を脅かし、法の支配を損なう」と指摘した。
その上で「アメリカは本日、統治や説明責任を弱体化させるため中共と結託する者に対するビザ制限を発表した。これらの措置は、トランプ氏が地域におけるアメリカの経済的繁栄と国家安全保障を守る決意を改めて示すものだ」と述べた。
中米地域ではかつて台湾が大きな外交的影響力を持っていたが、2017年以降、各国は相次いで中共との関係強化に転じた。パナマが台湾と断交し、中共を承認したことを皮切りに、外交構図の変化が進んでいる。
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