ドナルド・トランプ米大統領が、NATO(North Atlantic Treaty Organization)からの離脱の可能性に言及したことを受け、ニューヨーク・タイムズはこれを批判する記事を掲載した。しかし、その記事タイトルでNATOの正式名称を誤記していたことが判明し、「初歩的なミス」だとして批判を浴びている。トランプ氏も投稿でこれを嘲笑した。
現地時間4月3日、ニューヨーク・タイムズの紙面版には、「アメリカなきNATO?」という趣旨の記事が掲載された。本来の意図は、トランプ氏の「NATO離脱を検討している」との発言を論評するものだったが、見出しでは「A North American Treaty Organization Without America?(アメリカのない北米条約機構?)」と記され、NATOの名称を明らかに誤っていた。
NATOの正式名称は「North Atlantic Treaty Organization(北大西洋条約機構)」である。これに対し、記事タイトルに書かれていた「North American Treaty Organization」は「北米条約機構」を意味し、全く異なる名称となる。
両者はいずれも略称が「NATO」となり得るが、実際には別の組織を指す名称である。
記事の英語タイトルには、「『American』という名称を持つ組織に『America』がいない」という皮肉を込めた意図があったとみられる。しかし、記者がNATOの名称を誤ったことで、逆にニューヨーク・タイムズ側が批判の的となった。
ニューヨーク・ポストの報道によると、この誤りはソーシャルメディアX上で急速に拡散し、短時間で大量の嘲笑や怒りのコメントが寄せられた。批判の矛先はミスそのものだけでなく、多くの人々が感じている主流メディア全体の職務怠慢にも向けられたという。
あるユーザーは「これは本当にとんでもない誤字だ」と指摘し、別のユーザーは「恥ずかしくて悲惨なミスだ」と批判した。
この誤りがあまりにも初歩的だったため、一部のユーザーは事件の真偽そのものを疑った。ある投稿では、XのAIボット「Grok」に対して「@grok、これは本当なのか確認してくれ。つまり、こんなことが本当にあり得るのか?」と問いかける声もあった。
トランプ氏も、自身のSNS「Truth Social」に投稿し、自分を攻撃する「フェイクニュース」を流し続けてきたニューヨーク・タイムズの信頼性は地に落ちたと批判したうえで、NATOの名称を間違えるとは「笑うに笑えないミスだ」と皮肉った。さらに、同紙は衰退しており、採用される人材や教育水準も以前ほどではなくなっていると述べた。
その後、ニューヨーク・タイムズの広報チームは、X上で最初に誤りを指摘した投稿の下にコメントを残し、翌日の紙面で訂正を掲載すると発表した。訂正文では、「金曜日に掲載されたトランプ大統領のNATO離脱の可能性に関する記事の見出しで、同組織の正式名称を誤記した。正しくは『北大西洋条約機構(North Atlantic Treaty Organization)』であり、『北米条約機構(North American Treaty Organization)』ではない」と説明される予定だという。
ニューヨーク・タイムズはリベラル系メディアとして知られ、トランプ氏への批判的報道が多い。トランプ氏はこれまでにも同紙を「フェイクニュース」と批判し、名誉毀損訴訟を起こしている。
またトランプ氏は最近の演説で、イランをめぐる軍事衝突においてNATO諸国が「何もしていない」と批判し、米国がNATOを離脱することを「間違いなく、強く検討している」と述べている。
ご利用上の不明点は ヘルプセンター にお問い合わせください。