臓器収奪の実態描く『受注に応じた殺人』 大紀元編集者の近著が米ベストセラーリスト入り

2026/03/27
更新: 2026/03/27

中国共産党(中共)による臓器収奪の実態を描写した新刊が、米紙ニューヨーク・タイムズのハードカバー・ノンフィクション部門ベストセラーにランクインした。

『受注に応じた殺人:中国の臓器収奪産業と米国最大の敵の実像』は、3月25日付のランキングで第8位に入り、発売初週から注目を集めた。

ヤン・エキレック氏の近著『受注に応じた殺人』(新唐人)
 

著者のヤン・エキレック氏(エポック・タイムズ上級編集者で、番組『米国の思想リーダーズ』の司会)は、この問題を約20年にわたり追ってきた。本書は、独立調査や関係者の証言、取材経験に基づき、中共による臓器収奪の実態と、その構造を体系的にまとめたものだ。

エキレック氏によれば、20年前は関心を持たれにくかったテーマだが、近年は状況が変わりつつある。すでに数千人が本書を購入し、各地での講演活動でも関心の高まりを実感しているという。

同氏は「いまは人々がこの問題を受け入れ、実際に変化を起こし得る段階にある」と指摘。「標的となっているのは中国国民だけではなく、私たち自身もこの問題に加担している側面がある。少なくともその部分は止めなければならないという意思が生まれている」と語った。

アメリカでは、臓器収奪に関与する個人や組織への制裁、資金提供の停止などを目的とした法案が連邦・州レベルで相次いで提出されている。また、市民団体による草の根運動も広がりを見せている。

本書は前半で、中国における強制的な臓器摘出の規模や仕組みを詳述し、後半では過去30年にわたり西側諸国がどのように関与してきたかを検証している。例えば現在も、アメリカが中国の移植医の訓練を行い、移植技術や免疫抑制剤を提供している実態を指摘している。

大紀元の上級編集者で、番組「米国の思想リーダーズ」の司会者を務めるヤン・エキレック氏は16日、米ワシントンの「トランプ・ケネディ・センター」で開かれた自身の著書の出版記念イベントに出席した (エポック・タイムズ)

カナダの人権派弁護士デービッド・マタス氏は、中共による臓器収奪を「いまだかつて地球上で見られなかった罪悪」と表現する。マタス氏は2006年、法輪功学習者から大規模に臓器を摘出しているとする17項目の証拠を示した報告書を共同執筆した。

2019年に英ロンドンで、第三者による臓器収奪を検証する独立民衆法廷「中国民衆法廷」が開廷された。国際的な専門家の見解や当事者の証言などを踏まえ、審理した結果、本法廷の判事団は全員一致をもって、合理的な疑いを超えて、長年にわたり中国で臓器収奪が行われてきたことを確信したと結論づけた。

主な被害者は、法輪功学習者だという。法輪功は「真善忍」を重んじる心身修養法で、1990年代に中国で急速に広まり、当時は7千万〜1億人が愛好していたと推計する。

しかし、1999年7月に当時の共産党トップ江沢民により迫害が敢行され、多数の法輪功学習者を不当に拘束した。その後、中国では臓器移植件数は急増したが、当時は臓器提供制度は存在していなかった。

アメリカ議会関係者も『受注に応じた殺人』の意義を強調する。クリス・スミス下院議員の顧問メアリー・ビジル氏は、「現代における最も深刻で衝撃的な人権侵害の一つを暴いた重要な著作だ」と評価。「習近平体制下で、毎年数万人の無実の人が臓器のために殺害されている」と述べた。

また、サム・ブラウンバック上院議員は、ワシントンでのイベントで「これは単なる非人道的行為ではなく、人間性そのものを否定するものだ」と非難。「この本は中共の実態を明らかにし、アメリカ国民に道義的判断を迫る内容となっている」と語った。

ニューヨークを拠点とするエポックタイムズ記者。