経済財政諮問会議 「サナエノミクス」の積極投資と財政規律の両立が焦点に

2026/03/27
更新: 2026/03/27

高市総理大臣は3月26日、総理大臣官邸で令和8年第3回経済財政諮問会議を開催した。特別セッションでは、オリヴィエ・ブランシャール氏やケネス・ロゴフ氏ら海外の著名な有識者から資料が提出され、高市政権の経済財政運営をめぐり議論が交わされた。

「サナエノミクス」の基本方針

高市政権は、現在の日本経済が「過度な緊縮志向」と「未来への投資不足」に陥っているとの認識に立ち、国が投資を呼び込む姿勢への転換を打ち出している。アベノミクスが需要喚起に重点を置いたのに対し、「サナエノミクス」は「責任ある積極財政」として、官民協調による国内投資を大胆に促し、供給力(潜在成長率)の引き上げを目指すものda。

政策の柱は、経済安全保障や国土強靱化などの「危機管理投資」と、AI・スタートアップ・先端分野の研究開発といった「成長投資」の二本立てである。家計支援策としては、飲食料品に限った2年間の消費税引き下げや、給付付き税額控除の導入を進める構えだ。財政面では、毎年度補正予算が組まれることを前提とした予算編成と決別し、可能な限り当初予算で措置することで、民間事業者や自治体にとっての予見可能性を高める抜本的な見直しを行う方針である。

ロゴフ氏「長期金利3%到達の可能性」

ロゴフ氏は、世界的な低金利時代は終わりを告げており、日本の長期金利も今後10年間で3%に達する可能性があるとの予測を示した。金利上昇圧力が強い世界において、平常時は基礎的財政収支(プライマリーバランス)を均衡に近づけ、政府債務残高の対GDP比を緩やかに引き下げる余地を残すことが重要であると指摘した。

一方で、高市政権の取り組みを後押しする見解も示している。補正予算への依存を減らす政府の計画については、「予見可能性を高め、官公庁および民間双方の投資を支えるだろう」との見方を示した。また、日本が強みを持つロボット工学や先進的な製造業、原子力を含むエネルギー分野、防衛関連への投資を優先すべきだと提言した。高市政権が検討する消費税減税については、一定の状況下では理にかなうとしつつも、金利が急上昇した際には政策当局が迅速に対応する必要があると警告した。

ブランシャール氏「透明性ある財政規律を」

ブランシャール氏は、日本の借金が今後どうなるかを「金利」と「経済成長」のバランスから分析した。

ブランシャール氏は現在は金利が非常に低いため、国が少し赤字を出していても、経済全体の規模に対する借金の割合は自然に減っていくが、数年後には金利が上がり、この有利な状況が終わると予想している。同氏は少なくとも「国の基本的な収支(新たな借金に頼らない予算)」を赤字からプラスマイナスゼロに戻す必要があり、将来の不確実性や現在の借金が多いことを踏まえれば「少しでも黒字を目指すべきだ」と指摘した。

また、高市政権が進める防衛や環境対策(グリーン化)などの投資については、「無条件に国の借金(国債)でまかなうべきではない」と釘を刺した。いくら必要な投資であっても、必ずしも将来の税収アップに直結するわけではないからです。そのため、使ったお金と将来見込める利益を明確に分ける「透明性の高い専用の投資口座」を作って管理するよう主張した。さらに、将来の予期せぬリスクに備えるため、政府から独立した機関が「SDSA(将来の予測できない変化を踏まえた借金のシミュレーション)」を作成し、それを誰もが客観的に議論できる土台として活用することを強く推奨している。

エポックタイムズの記者。東京を拠点に活動。政治、経済、社会を担当。他メディアが報道しない重要な情報を伝えます