政府 対中関係を再定義 外交青書で格下げ

2026/03/25
更新: 2026/03/25

日本政府は来月、2026年版の「外交青書」を閣議決定する見通しだ。高市早苗首相の下で策定された今回の青書では、中国との関係に関する記述が見直され、従来の「最も重要な二国間関係の一つ」から「重要な隣国」へと表現が変更された。両国関係については引き続き「戦略的互恵関係」との位置づけも併記された。複数のメディアが報じた。

見直しの背景には、過去1年間における日中間の摩擦の増加がある。青書は、中国共産党(中共)による希土類(レアアース)の輸出制限や、日本の軍用機に対するレーダー照射、台湾問題を巡る日本への圧力の継続などを指摘した。また、中共が国連など国際場裡で対日批判を強めている点にも言及している。

日中関係悪化の契機の一つとして、2025年11月の高市首相による「台湾有事」への言及が挙げられる。同首相は台湾海峡での衝突が日本の存立に関わる事態となり得るとの認識を示し、自衛隊の対応可能性にも言及した。さらに2026年2月には、中共の「威圧的行動」が強まっているとし、中共、ロシア、北朝鮮による安全保障および経済面での脅威の高まりに警戒感を示した。

これに対し中共側は反発を強めている。中共は日本産水産物の輸入制限や重要鉱物の輸出規制を実施したほか、日本への渡航抑制の動きもみられる。3月24日の中共外務省定例記者会見で林剣報道官は、現在の日中関係の局面について「根源は高市首相の台湾に関する発言にある」と述べ、日本側に発言の撤回を求める従来の立場を改めて示した。

一方、中国国内のインターネット上では政府対応に対する批判的な声もみられる。交流サイト(SNS)微博(ウェイボー)では、当局の対応を「恥ずかしい」とする意見や「毎回同じ非難表現の繰り返しだ」などと政府の対応の画一性を指摘する投稿も確認されている。

日本政府は同時に、経済安全保障の観点から米国との連携を強化している。3月19日には日米共同行動計画を公表し、重要鉱物の調達先の多角化を進めることで、中国への依存低減を図る方針を示した。

エポックタイムズの記者。東京を拠点に活動。政治、経済、社会を担当。他メディアが報道しない重要な情報を伝えます