中共・温家宝元首相が直筆年賀カード公開 党内激動下で憶測呼ぶ

2026/02/22
更新: 2026/02/22

中国共産党の前首相・温家宝の直筆による年賀カードがこのほどインターネット上で拡散し、国内外で注目を集めている。内容は、2008年の四川大地震で犠牲となった教師や生徒への追悼を綴ったものだが、党内情勢が不安定化しているとの観測が広がる中での『露面』であることから、政治的な含意をめぐり様々な憶測を呼んでいる。

2月17日、「温総理の追随者」と名乗るネットユーザーがX(旧Twitter)に、温家宝による直筆の年賀カードの画像を投稿した。年賀カードは、四川省北川中学校の劉亜春校長宛てのものとされる。

文面は新年の祝賀よりも、2008年5月12日に発生した四川大地震への追憶に重点が置かれている。温家宝は、北川中学校で不幸にも命を落とした教師や生徒を思い起こすたび、今なお胸が痛むと記している。

2008年5月12日、四川省汶川でマグニチュード8.0を記録し、中共民政部の発表では死者は6万9227人に上るとされる。一方、民間団体の調査では、実際の死亡者数は約30万人、うち学生は3万人以上との推計も示されており、数字をめぐっては議論が続いている。

中共の政治慣行では、現職・元職を問わず上層部指導者や「政治老人」の発言や動向は、しばしば特定の政治的メッセージを帯びていると受け止められる。今回の賀カード公開についても、単なる私的な挨拶以上の意味があるのではないかとの見方が出ている。

時事評論家の唐靖遠氏は、「一見すると地震への追悼だが、現在の中南海で進行している政治的地震を暗示している可能性がある」と分析。文面に直接的な政治言及はないものの、言外の意味が込められているとの指摘がある。

先月には、中央軍事委員会の副主席・張又俠、統合参謀部参謀長・劉振立が相次いで失脚したとの情報が流れ、党・軍内部の動揺が取り沙汰されている。一部では、党内の「政治老人」や紅二代が現指導部の政治路線に不満を抱いているとの観測も出ている。

米国在住の政治評論家・陳破空氏は、「習近平は張又俠、劉振立を排除することで事実上のクーデター的手段を用いたが、その結果、政局は不安定化し、すでに制御不能の状態にある。

陳破空氏は、今回の年賀カードが検閲を受けずに広く流通している点に注目し、「当局が意図的に封殺しなかった可能性がある」との見解を示した。その上で、現指導部が党内融和や政治的バランスを模索している可能性に言及している。

唐靖遠氏は、現在の政治的に敏感なタイミングで「露面」そのものが政治的行為であると述べている。

「これは現在の波乱含みの党内闘争のさなかにおける『露面政治学』の一環だ」

もっとも、年賀カード自体には直接的な政治批判や政策提言は見られない。温家宝がただ単に追悼の意を示したに過ぎないとの見方も出ている。

 

新唐人