中南海で権力闘争熾烈化 専門家が台湾情勢への警戒を呼びかけ

2026/02/07
更新: 2026/02/07

中国共産党(中共)軍事委員会副主席の張又俠、軍事委員会聯合参謀部参謀長の劉振立が失脚したことを受け、中共軍の指揮体系には極めて異例の権力の空白が生じている。多くの重要ポストが未充足となり、軍の実際の作戦調整能力に直接的な影響を及ぼしている。一方、中南海は現在、軍内部の人事配置を再構築している。専門家は、習近平が台湾侵攻の野心を弱める可能性は低く、台湾だけでなく、アメリカや日本も、この再編の時期を「安全な時期」と見なすべきではないと警告している。

張又俠と劉振立が取り調べを受けた後、中共軍の機関紙は論評記事を掲載し、両者を障害物、足まといだと激しく非難した。そのうえで、訓練と戦備を全面的に強化すると主張している。

軍内部事情に詳しい沈氏は大紀元に対し、張又俠と習近平の対立は突発的なものではなく、長年にわたって積み重なってきた結果だと明らかにした。最大の争点は台湾問題である。張又俠や多くの高級将官は、武力による台湾侵攻に反対してきた。大規模な人的被害や装備の損失を招くだけでなく、最悪の場合軍種が全滅しかねないと考えている。一方、習は台湾攻撃を望んでいたという。

国際情勢担当の編集者、唐浩氏は、「習近平が2027年以前に台湾を統一し、歴史的地位の確立と第21回党大会での続投を目指している。それに対し、張又俠は2035年以降でなければ時期尚早だと主張している」と指摘した。その理由について、張又俠は部隊の実戦能力を最もよく把握していたためだと述べた。

近年、軍内部で行われた複数回の大規模な粛清では、失脚した上将の多くが習近平自身によって登用された人物だった。

時事評論家の藍述氏は、党、政府、軍の高官、とりわけ上層部は、過去四十年から五十年にわたる中国の市場経済の流れの中で権力の階段を上ってきた人々であり、習近平の統治手法に対して抵抗感を抱いていると分析している。

中共第20回党大会以降、失脚が公表された現役上将はすでに15人に達し、さらに20人の上将が「動静不明」となっている。現在、中共軍では数十の重要ポストが空席となり、指導部の空白が生じている。

オーストラリア在住の法学者、袁紅冰氏は、「スターリン、毛沢東、習近平はいずれも、軍を個人の支配下に置くための政治的手法を用いてきた。毛沢東はスパイ組織を通じて軍を掌握し、習近平は中共の情報・監視体制をかつてない水準まで高度化した」と述べた。その結果、習近平が脅威を感じる可能性のある軍のいかなる地位、つまり軍事委員クラスから下のすべてが事実上、粛清の潜在的な対象となっているという。

最近では、約一年間空席だった北京衛戍区司令員の職が埋められたほか、上海警備区、安徽、山西、陝西、海南、吉林、四川の各省軍区でも、新たな軍幹部が就任した。官製メディアによれば、これらの人事異動は張又俠と劉振立の失脚以前に行われていたという。

台湾国防安全研究院戦略・資源研究所所長の蘇紫云氏は、「陳源が北京衛戍区を率いることになっただけでなく、直轄市である上海警備区や武装警察部隊、さらに各省級軍区の主要ポストも交代した。習近平が大規模な再編を進めていることがうかがえる」と述べた。

中共内部の権力闘争は激しさを増し、軍上層部への粛清は大きな混乱をもたらしている。しかし、習近平の台湾侵攻への野心は衰えておらず、新たな人事配置を進めている。専門家の多くは、台湾のみならず、アメリカや日本も、この権力再編の時期を「安全な時期」と見なすべきではなく、むしろ準備段階として警戒すべきだとの見方で一致している。