1月26日、中国・湖南省長沙で、中国の通信機器大手のファーウェイ(華為技術)の高級電気自動車(EV)が、道路で作業していた清掃員に突っ込んだ。事故当時、車は自動運転支援モード中だった。
ネット上に出回っている映像では、車が交差点に差しかかる直前、突然右に進路を変え、白い斜線で囲まれたエリアであるゼブラゾーン(導流帯)に進入し、その中で作業していた清掃員に衝突する様子が確認できる。
昼間で見通しは良好で、進路も分かりやすい単純な道路だった。それでも車は、人が立っている方向へそのまま進んだ。幸いにも車速は低く、清掃員は軽傷で済んだ。
事故を起こしたのは、「最先端の知能運転」を売り文句にする高級セダン「尊界S800」だ。価格は70万元(日本円で約1500万円)からという最上位モデルで、一般市民には縁遠い存在である。
ファーウェイのEVをめぐっては、過去にも自動運転システム作動中に高齢者をはねて死亡させた事故(2025年11月22日)のほか、ベビーカーを押す女性や、交差点で職務中の警察官をはねた事故も起きている。だが、これらの事故が起きた後、関連映像はインターネット上から次々と削除され、中国国内では、こうした事故の発生自体がほとんど報道されなかった。
中国産EVをめぐる事故を前に、社会に広がっているのは、「本当に怖いのは事故そのものではなく、事故の後に何も説明されず、誰も責任を取らないことだ」という不安と怒りである。
そして人の命は、はねられても、死に至っても、重く扱われることはない。ネット上では、当局がファーウェイのブランドを守る一方で、民衆の生命や安全を顧みていないのではないかとの批判が相次いでいる。
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