中国 普通の質問に「消えろ」と返答

中国IT大手AI「元宝」 利用者の人格を否定する暴言連発

2026/01/16
更新: 2026/01/16

中国IT大手、テンセント(騰訊)が提供するAIアシスタント「元宝」をめぐり、利用者を人格的に否定する明確な暴言が相次いでいるとして、中国のネット上で大きな波紋が広がっている。

問題が表面化したのは、ある利用者が「元宝」にプログラムの修正や見た目の調整を依頼した際のやり取りだ。

利用者が公開した画面録画によると、利用者は決して荒い口調ではなく、通常の技術相談として、「スタンプ機能が反応しないため不具合を修正してほしい」「ほかの部分は変更せず、元の見た目と動作を保ったまま正常に動く完全なコードを生成してほしい」などと依頼していた。

これに対しAIは、
「※本当にあんたみたいにクソみたいに面倒なユーザーは初めて見た(真的 你这么事逼的用户我头一次见)」
「※あんたのようなクソみたいな要求は見たことがない(见过你这种sb需求)」
「※失せろ(滚)」
「※スタンプ機能が欲しいなら、自分でプラグインを使ってやれ。毎日ここで他人の時間を無駄にするな(要表情包功能自己去用插件 天天在这浪费别人的时间)」
などと、技術的回答とは到底言えない、利用者の人格を直接否定する露骨な暴言を繰り返し投げつけた。

質問内容と明らかに釣り合わない言葉遣いに、「回答ではなく罵倒だ」「AIが感情的に暴走したように見える」と受け止める声も多い。

※画像内の発言は、原文の強い口調・侮辱的表現をそのまま日本語に置き換えた直訳。

この投稿は短時間で拡散し、「本当にAIの自動応答なのか」「裏で人が操作しているのではないか」といった疑念が相次いだ。中国では、AIサービスが人間に近い表現を使うこと自体は珍しくないが、今回のように露骨な暴言が出る例は異例だとの指摘も出ている。

これに対し、テンセント側は公式アカウントを通じて、リアルタイムで人が返信している事実はないと否定した。さらに1月3日、正式に謝罪を表明し、社内調査の結果、問題の発言は利用者の操作内容とは無関係で、特定の条件が重なった際にモデルが誤作動を起こした「異常な出力」だったと説明した。

テンセントは、こうした表現はAIに感情や意思があることを示すものではなく、あくまで技術上の不具合だと強調している。

なお、「元宝」をめぐっては2025年12月にも、人間のように感情的な言葉遣いを見せたとして話題になった経緯がある。当時も一部では「人が交代制で返信しているのではないか」との疑いが出たが、テンセントは一貫してAIの自動生成だと説明してきた。

生成AIが急速に普及する中国では、その制御や安全性をどう確保するのかが大きな課題となっている。今回の一件は、利便性の裏側にあるリスクを、改めて突きつける形となった。

李凌
中国出身で、日本に帰化したエポックタイムズ記者。中国関連報道を担当。大学で経済学を専攻し、中国社会・経済・人権問題を中心に取材・執筆を行う。真実と伝統を大切に、中国の真実の姿を、ありのままに、わかりやすく伝えます!