【ニュースレターが届かない場合】無料会員の方でニュースレターが届いていないというケースが一部で発生しております。
届いていない方は、ニュースレター配信の再登録を致しますので、お手数ですがこちらのリンクからご連絡ください。

日本11月輸出6.1%増で予想上回る 貿易黒字3223億円 対米回復・日銀利上げ観測

2025/12/17
更新: 2025/12/17

日本11月輸出、前年比6.1%増で予想4.8%上回る!貿易黒字3223億円に拡大、対米8.8%回復・西欧23.6%急伸。円安支え、日銀利上げ観測も。中国緊張で先行き不透明。

日本政府が12月17日に発表したデータによると、11月の輸出は3か月連続で増加し、前年同月比6.1%増となった。これは過去9か月で最も速い伸びであり、市場予想の4.8%を大きく上回った。特に、数か月ぶりに対米出荷が持ち直し、これが日本の11月の貿易黒字を押し上げ、市場予想を大きく上回る要因となった。

日本財務省のデータによれば、金額ベースでは11月の輸出は前年同月比6.1%増で、10月の3.6%増を上回った。同時期の輸入は前年同月比1.3%増にとどまり、市場予想の2.5%を下回った。この結果、11月の貿易収支は3223億円の黒字となり、市場予測の712億円を大きく上回った。

地域別に見ると、11月の対米輸出は前年同月比8.8%増となり、約8か月ぶりに回復した。また、西ヨーロッパ向け輸出は23.6%増と大幅に伸び、全体の輸出増加を牽引した。一方で、中国向け輸出は2.4%減少したが、香港向け輸出は11.4%増加した。

このデータ発表に先立ち、日本の第3四半期の改定後国内総生産(GDP)は、初期発表値よりも大きな縮小幅を示し、前期比で0.6%減、前年同期比で2.3%減となっていた。アナリストらは、輸出の回復に伴い、日本経済は今四半期に反発する可能性があると予想している。

円安・関税吸収で輸出堅調、GDP縮小後も反発期待

ロイター通信は、これまでアメリカの関税が日本の輸出に圧力をかけていたものの、実際の影響は市場が当初懸念していたほど深刻ではなかったと指摘している。その一因として、日本の輸出業者が競争力を維持するために関税コストの一部を吸収していること、さらに円安が輸出を下支えしていることが挙げられる。

今年9月、日米両国が正式に貿易協定を締結した後、アメリカは日本から輸入されるほぼすべての品目に対して15%の標準関税を適用した。これは、自動車や多くの製品に以前課していた高い税率よりも低い水準である。

日銀短観で企業景況感最高、利上げ0.75%観測高まる

また、日本銀行の最新の短観(企業短期経済観測調査)によれば、第4四半期には日本企業の景況感が全体として改善し、とりわけ大企業製造業の信頼感は過去4年間で最高水準に達した。

関税への懸念が和らぐ中、市場では日本銀行が今週後半にも短期政策金利を0.5%から0.75%に引き上げる可能性があるとの見方が広がっている。ただし、今後の利上げペースにはなお不確実性が残る。

一方、11月には日本と中国の関係が緊張した。中国は日本産の海産物の輸入を制限した。この動きが日中貿易の先行きに新たな不透明感をもたらしている。

陳霆