中国の不動産市場は依然として低迷し、住宅価格の急落が社会不安を引き起こしている。近ごろは広東省や安徽省などで、オーナーによる販売センター襲撃事件が続発している。
金融系ブロガー「徽湖」さんは10月3日、広東省中山市にいるファンから送られた映像を公開。映像には、住宅開発の販売センターをオーナーたちが破壊する様子を捉えている。オーナーたちが購入した物件は、2023年時点で1平方メートルあたり1.8万元だったが、今年の連休中には7000元台まで値下がりしたという。
オーナーの一人は「世界が壊れたようだ」と嘆きの声を語り、怒りのあまり販売センターを破壊したと話した。
同様の騒動は広州市でも発生している。8月には天河公園近くの棠安花園二期で、新築マンションの突然の値下げに抗議するオーナーらが販売センターに集結した。1年前に1平方メートル4万元超だった価格が、現在は2万元を下回り、下落率は50%を超える。公開データでも、8月の中古住宅平均価格が1平方メートルあたり1.67万元にまで下落していることが確認された。
住宅価格の下落を受け、8月13日には広州市内の7か所の住宅開発が「値下げ時は差額を補填する」と発表。最大20万元分の管理費を補償すると約束したが、補填を受けるには「有効な証明書類」の提出が必要とされ、オーナー自ら価格の下落を立証しなければならなかった。
同様の混乱は昨年から各地で続いている。武漢市の「電建瀧悅長安」では販売開始後に1平方メートルあたり1万元以上も値下がりし、既存のオーナーが販売センターを破壊する事件が起きた。価格は一時、土地代を下回る水準にまで落ち込んだ。
また、昨年8月には深圳市でも販売センターが襲撃され、正面ドアが倒されるなど現場は騒然となった。
住宅市場だけでなく、商業用不動産も深刻な影響を受けている。「徽湖」さんによると、安徽省合肥市では定年を控えた教員夫婦が2022年に濱湖新区で約1000万元を投じて商業店舗を購入し、高額な賃料収入を見込んでいた。仲介業者は「黄金の立地で三代にわたって繁盛する」と宣伝していたという。
しかし3年後、賃料は40%も下落し、1平方メートルあたり5元という低価格でも借り手がつかない状況に陥った。売却を試みたところ、仲介業者の査定はわずか400万元。「200万元まで下げれば売れる」と助言されたという。わずか3年で700万〜800万元もの資産が失われた計算だ。
かつて住宅は多くの家庭にとって「最大の資産」や「生活の保障」とされたが、いまや重い経済的負担へと転じ、無数の家庭が厳しい現実に直面している。
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