中国経済の冷え込みは、街角の屋台にまで影を落としている。かつて「最後の生存手段」とされた屋台商売も、いまは厳しい現実に押しつぶされている。
広西省・南寧(なんねい)の焼き鳥屋台の男性は「去年は一晩で千元(約2万円)以上売れたのに、今年はその半分も届かない。夜を徹しても客が一組だけの日もある」と嘆いた。かつて月に3万元(約60万円)を稼げた時期もあったが、今はアルバイト代すら払えないという。
中国人ブロガー「深夜小余(しんや・しょうよ)」は南寧などで屋台経営者を取材し、過酷な実態を記録した。屋台は家賃が不要だから、かろうじて続けられるが、テナントを借りて家賃を払えば赤字は必至で、多くの知人が次々と店をたたんでいる。
ある夫婦は借金して屋台車を買い、夜7時から翌朝6時半まで休みなく働く。「子供も年寄りも養わなければならない。休む余裕などない」と妻は語る。
一方でSNSには「屋台なら月に数十万元(日本円で数百万円以上)稼げる」といった宣伝が飛び交う。しかし現場の経営者たちは「家族を養えれば十分。そんな話は信じない」と口をそろえる。
現場の訴えはネット上でも大きな反響を呼び、「まさに飲食業界の実態だ」「多くの人が借金を抱え、消費に回す金などない」と共感が寄せられた。

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