マルコ・ルビオ米国務長官は9月4日、中米地域で中国共産党(中共)のために意図的に行動し、法の支配を損なっているとされる人物を対象に、新たなビザ制限を課す方針を明らかにした。
ルビオ氏は、声明で「アメリカは中米における中国(中共)の腐敗した影響力に対抗し、法の支配を覆そうとする中国の試みを阻止することに尽力している」と強調した。
新たな方針では、中米地域で中共のために意図的に行動し、法の支配を損なう活動を指揮、承認、資金提供、または重大な支援を行った中米地域の諸国民に対し、ビザ発給を制限するとしている。
ルビオ氏は、「この方針に基づき、該当する個人とその直系家族は、原則としてアメリカへの入国資格を失う」と述べ、「これらの措置は、トランプ大統領がアメリカの経済的繁栄と国家安全保障をこの地域で守るという強い決意を改めて示すものだ」と強調した。
その上で、「中共のために意図的に行動し、西半球の安定を損なおうとする中米国民には責任を追及していく」と語り、「利用可能なあらゆる手段を駆使して地域の安全を守る」と述べた。
今回の声明では具体的な個人名や事例については明言しなかった。
米中関係は近年、貿易関税やサイバー安全保障、知的財産権やスパイ活動、新型コロナウイルスの起源、TikTokの所有権問題、さらには香港・台湾情勢などをめぐり、緊張状態が続いている。中国共産党は長らく米国の勢力圏とされてきた中南米地域での影響力拡大を積極的に推し進めており、米国の警戒を強める要因となっている。
こうしたなか、米上院の有力議員マルコ・ルビオ氏は今年5月下旬、中国共産党と関係を持つ学生や、国家安全保障上重要な分野を専攻する中国人留学生について、ビザを取り消す方針を表明した。米国政府内で対中警戒論が一層強まる動きの一環といえる。
最近、ヒューストン大学に進学する予定の中国人留学生の顧さんは、有効な学生ビザを持ってアメリカに入国しようとしたところ、テキサス州の空港で税関・国境警備局に呼び止められ、中共および「国家留学基金委員会」との関係を追及された。
36時間に及ぶ尋問と電子機器の検査を受けた後、最終的には強制送還され、今後5年間はアメリカへの入国を禁止されている。
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