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仏情報局 9つの中共警察署を閉鎖 スパイ活動は依然継続

2025/07/11
更新: 2025/07/11

中央社が7月9日に報じたところによると、フランスの対内安全総局(DGSI)は、フランス国内に存在していた中共の、いわゆる「海外警察署」9か所をすでに閉鎖したことを確認した。また、フランスの情報機関は、中共のスパイが依然として協会などの形態を利用して潜伏し、中共に奉仕し続けていると警告している。

この報道は、週刊誌『Challenges』の情報を引用したもので、2024年11月、与党「ルネサンス」に所属するフランス国民議会議員のコンスタンス・ル・グリップ氏が、中共の「地下警察署」によるフランス国内での「活動と運用状況」について内務省に書面で質問を提出したと伝えている。

この問題は、中国の反体制派である凌華湛氏が2024年3月に中共により強制送還された事件に端を発している。当時、中共大使館と関係があると疑われたスパイが、パスポート返却を理由に凌氏をパリのシャルル・ド・ゴール空港に連れて行き、広東省行きのフライトに搭乗させて連行したとされる。

この経緯は、『Challenges』およびフランス2テレビの『特派員』番組によって明るみに出され、フランス国内で外国勢力による干渉への大きな関心を呼び起こした。

その後、DGSIはフランス国内に少なくとも9つの中共「警察署」が存在していたことを確認した。これらはフランス当局に登録されておらず、中共の警察機関が主権国家の公的サービスに類似した業務、たとえば情報収集や越境での反体制派への弾圧などを行っていたことが分かっている。これらの機関は私服のスパイネットワークを通じて、中国の反体制派を監視し、圧力をかけ、帰国を強要するなどの活動を行っていたとされる。

フランス内務省はこの点について、中共政府が海外に居住する中国人を、たとえ長期間現地に定住していたとしても、自国の管轄下にあると見なし、厳格に統制しようとする姿勢の表れであると説明した。

なお、スペインに本部を置く人権監視団体NGO「Safeguard Defenders」が2022年9月に発表した報告書では、世界各地に100か所以上の中共秘密警察署が存在し、フランス国内には4か所あると指摘されていた。

2023年末には、DGSIが中共大使館の外交官2名と中共の情報員1名を呼び出し、これらの「警察署」に関する機関の閉鎖と、二国間協力における規範の遵守を正式に求めた。

「Intelligence Online」が2025年3月に報じた内容によると、DGSIはこれらの中共「海外警察署」を閉鎖したものの、関連する中共の職員を国外退去処分にはしていない。フランス外務省は中共側に対し、関係者の召還を求めたが、中共側はこれを拒否した。

週刊誌『Challenges』は最近、この件について「注目を集めた中共の『警察署』は閉鎖されたが、中共のスパイは依然としてさまざまな協会などを通じて監視や圧力活動を継続している」と論評している。DGSIも「北京当局はこの種の行動を完全には放棄しておらず、フランスの情報機関は今後も困難な課題に直面している」と述べている。