4月1日、政府は、外国為替及び外国貿易法(外為法)に基づく対内投資審査制度を強化する政令改正を閣議決定した。国家の安全を脅かす可能性が高いと判断される外国からの投資について、これまで認められていた事前届出の免除を適用しない方針で、5月19日から施行される見通しとなった。
今回の改正では、「特定外国投資家」の定義を新たに導入すると言う。
外国政府に対して、安全保障上の情報提供義務を課されている個人や企業、またはそのような者が議決権の過半数を保有する企業などを対象とし、これらに該当する投資については、例外なく事前届出を義務付けられた。
この措置は、中国共産党の国家情報法を念頭に置いたものとみられる。同法は2017年に施行され、中国の個人・企業・団体に対し、中国共産党政権の情報活動への協力を義務付けた。こうした背景から、中国企業を通じた投資が他国の安全保障や経済活動に影響を及ぼすリスクが国際的に懸念されるようになった。
現行の制度では、外国投資家が原子力、通信、サイバーセキュリティなど安全保障上重要な「コア業種」に属する上場企業の株式を1%以上取得する場合、原則として所管官庁への事前届出と審査が必要とされた。
一方で、「出資比率が10%未満」「取締役に就任しない」「株主総会で重要な議案を提案しない」などの条件をすべて満たせば、事前届出は免除される仕組みとなっており、その判断は企業側の自主判断に委ねられているのが実情だった。
今回の政令改正は、こうした例外規定の網をすり抜ける形で行われる投資に対し、政府が直接的に審査に関与できるようにすることを目的としていた。
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