【ニュースレターが届かない場合】無料会員の方でニュースレターが届いていないというケースが一部で発生しております。
届いていない方は、ニュースレター配信の再登録を致しますので、お手数ですがこちらのリンクからご連絡ください。

コロンビア大学 トランプ政権の反ユダヤ対策要求で方針変更

2025/03/22
更新: 2025/03/22

米コロンビア大学のカトリーナ・アームストロング学長代行は3月21日、連邦政府からの資金提供を継続して受けるため、反ユダヤ主義への対応として大学の運営方針を大幅に見直すことを発表した。

今回の見直しは、米教育省からの是正要求に応じたもので、対象には学生によるマスク着用の原則禁止(健康・宗教上の理由を除く)、入学選考や学生募集の見直し、一部学科に対する管理体制の強化などが含まれる。

大学側は、過去に反ユダヤ的な内容が指摘された学問分野に対し、上級副学長を新たに任命して監督を強化する方針。また、中東研究学科については即時に内容の見直しを行う。

学生に対する懲戒処分を扱う学内の審査委員会も体制を変更し、今後は教職員によって構成されることとなった。さらに、キャンパスの警備体制を拡充し、混乱への対応力を高めるほか、教員の思想や学問的背景の多様性を確保する取り組みも進めるとしている。

大学が公表した政策通達では、「2023年10月7日以降、ユダヤ人コミュニティが受けた差別や嫌がらせ、反ユダヤ的行為に対し、学内外や監督当局から寄せられた懸念に真摯に対応してきた」と述べている。

同大学はこれまでに、2024〜2025年度において最大50億ドルの連邦支援を受ける見込みだったが、トランプ政権は最近、同大学への4億ドルの助成金を取り消している。背景には、親パレスチナ派による抗議活動の中で、反ユダヤ的な妨害行為や破壊行為があったとの調査結果がある。

大紀元はホワイトハウスと米教育省にコメントを求めたが、現時点で回答を得ていない。

アームストロング学長代行は3月19日の声明で、教育省が提示した9項目の条件を受け入れ、大学として是正措置を講じたと述べた。ただし、その声明では、3月13日付で送付された各条件に対して具体的にどのような対応を行ったのかについては明記されていなかった。

また、3月20日には連邦裁判所がコロンビア大学に対し、学生の懲戒記録を下院教育・労働委員会へ提出することを一時的に差し止める命令を出した。この委員会は、学内における反ユダヤ主義の実態を調査している。

この裁判は、パレスチナ人の大学院生でアメリカの永住権を持つマフムード・ハリル氏が起こしたもので、同氏は昨年、イスラエルによる軍事行動への抗議活動を主導した後、移民税関捜査局(ICE)に逮捕された。現在は国外退去の対象となっており、提訴の中心人物となっている。

訴状では、連邦政府が巨額の補助金を交渉材料とし、大学に「イスラエル批判を制限するような言論規制の導入」を求めたと主張している。原告側は、今回の方針変更が表現の自由や学問の自由を脅かすものであると訴えている。

訴訟の共同原告であり、イスラム系市民団体「アメリカ・イスラム関係評議会(CAIR)」ニューヨーク支部のアファフ・ナーシャー事務局長は、「この訴訟がコロンビア大学と政府の間の交渉を遅らせた可能性がある」と述べ、「最終的な目的は、学生の言論の自由を守ることだ」と語った。

複数の日刊紙、雑誌、専門媒体で執筆してきたジャーナリストであり、これまでに連邦政府の身元調査官やメディケア不正対策のアナリストとしても勤務した経歴を持つ。ニューヨーク州立大学バッファロー校を卒業し、現在はニューヨーク州北部を拠点に活動している。