全国のスーパーで販売されるコメの価格が急激に上昇している。農林水産省が発表した最新データによると、3月3~9日の1週間における5キロ当たりの平均価格は税込み4077円となり、前年同期(2045円)からほぼ2倍に達した。この価格は前週比でも3.2%上昇しており、10週連続で値上がりを続けている。
コメ価格の高騰は2024年夏頃から顕著になり、同年8月には2600円を超えた。その後も価格上昇は止まらず、2025年1月には3500円台、そして今回初めて4000円を超える事態となった。この背景には、複数の要因が絡んでいるとしている。
農林水産省によれば、2024年産米の生産量は18万トン増えたものの、大手集荷業者が集めたコメは23万トン減少している。これにより市場への供給が滞り、価格が押し上げられた可能性を指摘する。また、一部では卸売業者がコメを抱え込んでいるとの見方もあるが、その実態については議論が分かれている。
さらに、政府は米価抑制策として備蓄米を市場に放出しているものの、その効果は限定的だ。消費者の間では「令和の米騒動」とも呼ばれる異常な価格高騰が続いており、多くの家庭に影響を及ぼしている。
専門家は、コメ価格が短期的に安定する可能性は低いと見ている。需要と供給の不均衡や市場構造の問題が根深く、抜本的な対策が求められている状況だ。一方で、政府や業界団体による更なる介入や流通改革が進めば、徐々に価格が落ち着く可能性もある。
消費者にとっては厳しい状況が続いており、日々の生活費への影響が懸念される。引き続き政府や関係機関による迅速な対応が求められる局面だ。
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