厚労省が4日に発表した2025年1月の一般職業紹介状況によると、有効求人倍率(季節調整値)は1.26倍となり、前月を0.01ポイント上回った。また、正社員の有効求人倍率(季節調整値)は1.03倍で、前月と同水準だった。有効求人(季節調整値)は前月比0.2%増加した一方で、有効求職者は0.3%減少している。しかし、新規求人(原数値)は前年同月比で0.4%減少し、雇用の先行きにやや慎重な姿勢がみられる。
産業別にみると、サービス業、学術研究・専門・技術サービス業、情報通信業では新規求人が増加しており、特にサービス業は前年比5.0%増加した。一方で、教育・学習支援業、生活関連サービス業・娯楽業、運輸業・郵便業では新規求人が減少しており、運輸業では前年比3.3%の減少となった。特に、臨時・季節雇用の減少幅が7.9%と大きく、燃料費の高騰や物流業界の負担増が求人減少の要因となっている可能性がある。
また、製造業や建設業では、新規求人が減少傾向にある。建設業では前年比0.4%の減少にとどまっているものの、臨時・季節雇用が3.8%、パートタイムの求人が5.9%減少しており、短期・非正規雇用の抑制が目立つ。製造業では新規求人数が前年比2.1%減少し、特にパートタイムや臨時・季節雇用の減少が3.5%から3.8%と顕著であった。企業側が原材料価格の高騰や光熱費の上昇に伴うコスト増加の影響を受け、採用活動を慎重に進めているとみられる。
都道府県別の有効求人倍率(季節調整値)をみると、就業地別では福井県が1.85倍で最も高く、北海道が1.06倍で最も低かった。また、受理地別では東京都が1.78倍で最高、神奈川県が0.90倍で最低となっており、地域による差が顕著にみられた。
雇用市場は引き続き安定しているものの、産業によっては求人の抑制が見られる状況である。特に、運輸業や建設業、製造業ではコスト増加の影響を受け、新規採用を控える動きがみられる。今後の経済動向次第では、さらに求人市場に影響を及ぼす可能性があるため、引き続き動向を注視する必要がある。
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