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世界第2位の高級品企業YNAP 中国から撤退

2025/02/21
更新: 2025/02/21

最新の報告によると、中国の奢侈品(しゃしひん・貴金属、宝飾類、海外旅行などの贅沢品)市場の売上高が約20%減少している。

世界第2位の高級品企業が中国市場から撤退を発表した。リシュモン(Richemont)傘下のEコマースプラットフォームYNAPは、3月20日に中国の全オンラインプラットフォームを閉鎖する。これには天猫(Tmall)ショップ、WeChatミニプログラム、小紅書(RED)、抖音(Douyin)フラッグシップストア、企業の公式ウェブサイトとアプリが含まれる。

YNAPは4月22日にアフターサービスを終了することも確認しており、これは中国市場からの完全撤退を意味する。

台湾南華大学国際事務・企業学系の孫国祥准教授は「中国はかつて世界の高級品市場で最も急成長している市場だったが、経済の減速や消費者信頼感の低下、不動産市場の低迷、規制政策の影響により、現在の高級品市場の需要は減少している」と述べている。

1月28日、世界最大の高級品企業モエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン(LVMH)の財務報告によると、2024年の売上高は前年比1%の微増で、予想を上回った。しかし、中国を含むアジア地域(日本を除く)の売上高は約11%減少し、グッチの親会社ケリンググループの中国市場を中心とした売上高は前年比24%減少した。

孫国祥准教授は続けて「中国の消費者信頼感指数は2024年を通じて低水準で推移し、高級消費財への支出が縮小している。富裕層でさえも慎重になり、不要な高級品消費を減らし、金や芸術品、高級不動産などの価値保存型資産への投資にシフトしている」と述べている。

報告によると、海外市場が中国の消費者の高級品消費総額に占める割合は約40%に上昇した。

中国の消費者の欧州市場での高級品消費額は2019年の約50%まで回復し、アジア太平洋地域では2019年の約120%に達している。

しかし、海外市場の成長は国内市場の減少を相殺するには不十分で、2024年の中国の消費者の世界全体での高級品消費総額は約7%減少する見込みだ。

『北京の春』のコラムニスト陳叔涵氏は「これは中国経済の極端な悪化が引き起こした高級品消費の深刻な縮小だ。高級品を購入する人々は一般的に裕福な層で、基本的にお金を持っている。しかし、政治的な不安感から、官二代(高官の子供)、富二代(富豪の子供)、星二代(芸能人の子供)でさえも消費を控えている」と発言している。