中国 「王朝滅亡」の凶兆が中国全土に

【動画あり】再び「血の色」に染まる北京の空 「中国は巨変の前夜にある」

2024/12/17
更新: 2024/12/17

多くの中国の古書によると、空が血の色に染まるのは戦禍や王朝の終焉を告げる不吉な兆候であり、1年以内に自立者(権力争いをする者)が現れる。

 

12月16日朝、中国・北京市の空が「またも」真っ赤に染め上げられる現象が発生した。

真っ赤の空に照らされて建物までもが赤色に映る北京の城は、実に異様な雰囲気に包まれた。

 

(2024年12月16日朝、「真っ赤に染まった」北京の空)

 

目撃者によれば、この現象は朝6時30分~7時20分ごろ(現地時間)に観測され、「最初は赤、それからピンクに変わり、消えた」という。

「またも」といったのは、10月11日、5月11日にも同様の現象が見られたからだ。

赤い空を撮影した現地ユーザーによるSNS投稿は中国のネットにあふれ、この日は朝から「北京に赤い 朝焼け」のトピックが同国検索エンジン最大手の「百度(バイドゥ)」や同国SNS「ウェイボー(微博)」のトレンド入りしている。

 

(2024年12月16日朝、「真っ赤に染まった」北京の空)

 

中国国営テレビ局・中央テレビ(CCTV)は、この現象を「濃い赤色の朝焼け」と呼んでいる。

民間では、赤い空を見て「キレイ」と喜ぶ人もいれば、古い言い伝えなどを知る老人は「恐ろしい」と畏れている。

 

(2024年12月16日朝、「真っ赤に染まった」北京の空)

 

中国大動乱の予兆か

空が血の色に染まる現象について、王朝交代、戦争、飢饉、死、政権と君主が危機に瀕していることの予兆と古人はいう。

中国唐代の有名な予言者・李淳風(りじゅんぷう) は「王朝滅亡を告げる凶兆だ」と予言している。李淳風はまた、著書の占星術書『乙巳占(おつみせん)』のなかで「一年以内に自立者(権力争いをする者)が現れる」と書いた。

紀元前141年、空は血のように赤く染まったその年、16歳の武帝・劉徹(りゅうてつ)が即位し、漢景帝(かんけいてい)が逝去した。

中国の歴史書『旧唐書(くとうじょ)』のなかにも、以下のような記載があった。

「755年に安史の乱(あんしのらん)が勃発した後、玄宗皇帝が長安を捨てて逃亡する途中、空に血のような赤色が出現した。この戦乱によって、唐の基盤は完全に揺らいだ」

明(みん)王朝の時にも、その滅亡前夜に、空が血のように赤く染まる異象が現れたことが、清代に編纂(編集)された中国最大の叢書(そうしょ)『四庫全書』に記載されている。

 時事評論家の楊寧氏は、かつてエポックタイムズへの寄稿のなかで次のように指摘している。「古人は『天人合一』を重んじ、天(自然)と人間世界との間に相関関係がある。赤色の空が中国共産党の政治中枢である北京に現れた。このことは、中南海の上層部にとって非常に好ましくない凶兆を伝えている」
 

(真っ赤に染め上げられた中国浙江省舟山市の夜空、2024年5月23日夜)

 

彗星

10月1日と2日の朝、「6万年に1度」といわれる彗星が北京上空を通過した。古代中国人は彗星を「君主あるいは男性の貴族の死や災いを告げる」災いの星と見なしている。

数日後(10月8日)、中国共産党の胡錦濤(こきんとう)政権で共産党序列2位だった呉邦国(ご ほうこく)が北京で死去した。

この彗星は10月10日の夕方にも北京の空に現れており、中共の上層部でさらなる死者が出るのではないかと巷では話題になっている。

その翌日(10月11日)北京の空が真っ赤に染まった。

 

2024年10月11日夜、「真っ赤に染まった」北京の空(中国のSNSより)

 

その約1か月後(11月28日)、中国政治における大変局の始まりであるかもしれないと示唆する出来事が起きた。習近平の軍の重要な側近であり、習が軍の権力を掌握するための重要な人物の1人である苗華(びょうか、軍事委員会政治工作部の主任)の逮捕が発表されたのだ。苗華は政治工作を担当する上将であり、その地位は国防相よりも高い。

複数の専門家は、これが異常な兆候であり、習近平が内部闘争や健康問題により軍権を失いつつある可能性があると指摘している。

セルフメディア「遠見快評」の司会者でもある時事評論家の唐靖遠(とうせいえん)氏は「銃(軍隊)から政権が生まれる。習近平の軍事委員会主席としての地位を形だけのものにし、実際の軍権を失った場合、総書記や国家主席の地位も長くは続かないだろう。任期が終了する前に、早期に退場を余儀なくされる可能性もある」と指摘する。

 

2024年10月11日夜、「真っ赤に染まった」北京の空(中国のSNSより)

 

元中国人民解放軍海軍中佐の姚誠(ようせい)氏もセルフメディア番組のなかで次のように指摘している。「苗華の失脚は習近平が軍隊に対するコントロールを失ったことを意味する。中共軍の情報筋から得た最新情報では、軍事委員会の副主席である張又侠(ちょうゆうきょう)が習の軍内の権力をすでに奪取しており、いまは軍の中の習の代理人(側近たち)を次々と粛清しているところだ」

その約2週間後の12月10日正午、北京の空に突然「3つの太陽」が現れた。

空に太陽が同時にたくさん現れる現象は俗に、「幻日(げんじつ)」と呼ばれており、自然現象の1種とされるが、中国唐代の有名な予言者・李淳風は「王朝滅亡を告げる凶兆だ」と予言している。

 

北京で観測された「3つの太陽」、2024年12月10日正午(動画よりスクリーンショット)

 

古代中国の書物『孝經内記』には「3つの太陽が同時に現れれば、その国の君主は亡くなる」とする記載がある。

中国の歴史書『晋書(しんじょ)』によれば、紀元317年1月、空に3つの太陽が同時に現れ、長い虹がかかった。その3か月後、西晋(せいしん)王朝は滅亡し、東晋(とうしん)王朝が始まった。

 

(北京で観測された「3つの太陽」、2024年12月10日正午)

 

中国は今、不動産業のどん底不振、金融の崩壊、経済の破綻、失業者の爆発的増加、疫病の蔓延、異常気象による農業への打撃など、どれをとっても国の根本を揺るがす大問題を抱えている。

そうした切迫した状況から、人々は中国各地で頻繁に起きている「王朝末年に起こる」とされる現象をより深刻に受け止めている。

中華民族に災難をもたらしてきた中国共産党による統治、「王朝の終焉」を心から祈る中国国民も多く、「いよいよ大事件が起こる」と巷では話題になっている。

 

大学前で真相究明を求め、泣きながら社会に助けを乞う「大学で謎の転落死を遂げた学生」の遺族の姿。2023年5月、河北省(中国のSNSより)

 

(四川省遂寧市で観測された「3つの太陽」、2024年7月26日)

 

画像(左)は遼寧省瀋陽市で18日に観測された「2つの月」、画像(右)は四川省成都市で18日に観測された「7つの太陽」(SNS投稿動画よりスクリーンショット)
四川省遂寧市で観測された「3つの太陽」、2024年7月26日(SNSより)
2022年5月11日夜、「真っ赤に染まった」福建省福州市の空(中国のSNSより)
2024年4月15日未明、「真っ赤に染まった」湖北省武漢市の空(中国のSNSより)

 

李凌
エポックタイムズ記者。主に中国関連報道を担当。大学では経済学を専攻。カウンセラー育成学校で心理カウンセリングも学んだ。中国の真実の姿を伝えます!