中国共産党(中共)軍内での動揺が続く中、習近平が重用していた中央軍事委員会の委員、苗華が取調べ対象となった。専門家は、中共内部での権力闘争が激化し、習近平の軍権が弱まっていること、さらには台湾攻撃計画が大きな挫折に直面していると指摘している。
中共国防省は11月28日、苗華が重大な規律違反の疑いで職務停止となり、現在取調べ中であることを認めた。苗華は中央軍事委員会の委員で、政治工作を担当する上将であり、その地位は国防相よりも高い。
大紀元のコラムニスト王赫氏は次のように述べている
「習近平の側近である苗華が職務停止となり取調べを受けることは、習近平の軍事委員会における権力が揺らいでいる可能性を示している。苗華失脚の発表方法は非常に奇妙で、単に職務停止としか表現されていない。この事件は中国共産党の最高層における権力闘争、特に軍の上層部である中央軍事委員会内での闘争に関わっており、張又俠が反旗を翻し、習近平と生死を賭けた駆け引きを展開している可能性がある」
中共の第20回大会三中全会の期間中、習近平に関する病気の噂が広まり、軍事委員会の副主席である張又俠がこの機会を利用して軍内の権力を奪取した。その後、習近平の側近たちが次々と粛清された。
元中国人民解放軍海軍中佐の姚誠氏は次のように指摘している。
「習近平が権力を失った後、彼は軍事や軍権において大きな制約を受けている。しかし、習近平を完全に無力化するためには、彼の軍内の代理人を牽制する必要があり、苗華がその最初の標的となった」
苗華以前にも、習近平が抜擢した秦剛、李尚福、李玉超、徐忠波などの中央委員が、次々と失脚している。また、ロケット軍や装備発展部でも多くの高級将校が失脚している。
台湾の学者明居正氏は次のように述べている。
「周囲にこれほど多くの人々がいて、慎重に選抜したにもかかわらず、忠誠心の問題や深刻な汚職が見られるのであれば、この軍隊によって、何を成し遂げられるのか、本当に疑問に思わざるを得ない」
最近、中共が台湾包囲の軍事演習を発表した後、習近平は福建省の漳州と厦門を訪れ、両岸の融合について熱心に語った。特に、台湾が最後に大規模な大陸反攻を行った東山島を訪れた。
姚誠氏は、「習近平は台湾に侵攻するために、ロケット軍と海軍の2つの部門を掌握している。しかし最近では、東部戦区以外にも、林向陽らが取調べを受けている」と指摘している。
明居正氏は、「ここ数年で、将軍だけでも150人以上が逮捕され、その他の文官幹部は数万人に上る。この状況を目の当たりにして、誰もが恐怖を感じている。高級将校の心理状態が不安定になると、習近平の地位も不安定になる」と述べている。
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