中共の内部告発者 神韻バッシングの背後にいる政府高官の実名を暴露

2024/12/05
更新: 2024/12/05

 

中国政権の国家安全部は精神修煉法である法輪功と神韻に対する計画を進めていると内部告発者が語った。

 

中国政権の国家安全部は精神修煉法である法輪功と神韻に対する中傷キャンペーンの計画を進めていると内部告発者が語った。

中国共産党(中共)の安全機構内の内部告発者が最近明らかにしたところによると、中共国家安全部のトップである陳一新は、神韻芸術団に対するアメリカでの中傷キャンペーンを自ら推進している。

中国古典舞踊と音楽の最高峰である神韻芸術団は、共産主義の影響を受けてない純粋な中国文化を表現することから、中共の主要な標的となってきた。ニューヨークを拠点とする神韻芸術団は、過去25年間にわたって中共に迫害されてきた法輪功学習者によって設立された。

陳は中共のトップである習近平の忠実な従者として知られている。法輪功への迫害を記録している非営利団体「法輪大法情報センター」(FDIC)が11月24日に発表した内部告発情報によると、陳は2022年から中共政権の国家安全部(MSS)のトップを務めており、海外で法輪功を抹殺するという政権の願いを実行に移すことを個人的な使命としており、神韻はその主要なターゲットになっているという。

「彼(陳)の計画は、法輪功の海外での存在感を弱め、組織を解体し、年末までに『法輪功問題』を完全に解決することだった」と内部告発者は述べた。

内部告発者によると、陳はいくつかの国内案件に失敗した後、法輪功キャンペーンを政治資金源として利用した。

内部告発者は「習近平が海外に行くたびに、法輪功学習者から抗議があり、習近平は非常に不愉快に思っている」と述べ、もし陳が海外での法輪功撲滅作戦を成功させれば、「習近平にその成果を披露し、評価と報酬を求めることができる」と説明した。

漏洩のラインアップ

中共による最新の反法輪功キャンペーンに関する情報を裏付け、新たな詳細を追加した内部告発者は、今年に入ってすでに4人目となる。

法輪大法情報センターはこのキャンペーンの目的は、ソーシャルメディアのインフルエンサーやアメリカの主要メディアを通じた中傷によって、「アメリカ政府と世論を迫害されているコミュニティーに敵対させる」ことだと、プレスリリースで述べている。

特にニューヨーク・タイムズ紙は今年、神韻に関する一連の記事を掲載した。ある中国系アメリカ人のYouTuberは、重要な情報源を提供することで、同紙の報道を急発進させたという手柄を立てた。

内部告発者は、このYouTuberを法輪功に関する中傷情報を広めるために中国共産党に利用されていると指摘している。また別の内部告発者も、中共の工作員ではないが、「完全に国家安全(部門)に利用されている」と語っている。

「彼は提供されたものを何でも発信するが、それが中共から来ているとは気づいていないかもしれない。工作員たちは彼に正体を明かさないが、彼はすでに中共の手先となっている」

FDICは内部告発者の身元を明らかにしなかったが、「他の内部情報や現実の事件との裏付けがあるため信用できる」と判断している。

「この情報を伝えた内部告発者は、法輪功学習者やその他の人々に警告するために、(情報を)外部に共有する大きなリスクを冒した」と、FDICのエグゼクティブディレクターであるレビ・ブラウデ(Levi Browde)氏が声明で述べた。

「これらの最新の詳細は、(中共)政権がいかに巧みに中国国外の人々を操作して自らのために行動させることができるかを示している。ソーシャルメディアのインフルエンサーやプロのジャーナリストでさえ、その情報がMSS(中共国家安全部)の工作員から来たものだと知らずに共有することで、結果的に中共の計画に加担してしまう可能性がある」とブラウデ氏は述べた。

「法輪功のような迫害されているコミュニティに関する中共の偽情報に対して、国際社会がより警戒し、懐疑的になる一助となることを願っている」
 

洗練されたキャンペーン

陳の法輪功に対する働きかけは「組織的で完全な計画」である。

内部告発者は言った。「皆さんもこのことがはっきり分かると思う。一歩一歩、陰謀を操る背後には公安と国家安全(部)がある」

内部告発者は、このキャンペーンの一部の要素は中共の公安部(MPS)によって管理されていると指摘し「法輪功や民主化運動などの組織内の秘密工作員の情報提供者は、基本的に(MPSの)第四局によって管理されている。一旦これらの人々が動員されれば、脅威は非常に高くなる」と述べた。

「これらの工作員は、自ら破壊工作を行うだけでなく、周囲の多くの人々を動かし、さらに多くの情報を彼らに公開し、これらの人々が飛び出して法輪功を攻撃できるようにする」

2009年神韻芸術団の演目『袖の舞』(神韻芸術団)

 

迫害のベテラン アメリカへ浸透

陳は長い間、特に2018~23年中央政法委員会のトップの一人を務めていた時、中国国内での法輪功迫害に積極的に取り組んでおり、会議、演説、記事の中で、繰り返し法輪功の「取り締まり」を促していた。

「良い殲滅戦を繰り広げろ…厳しく高圧的な環境を維持し、法輪功が繁栄する土壌を断固として根絶する」と陳は2021年の記事で述べている。

法輪功の公式ウェブサイトであるMinghui.orgが収集した記事のケースによると、陳の在任中、数万人の法輪功学習者が警察に逮捕され、嫌がらせを受け、拘留中に数百人が殺害された。人権研究者は、実際の数はその何倍もあると見積もっている。

11月8日付のウォール・ストリート・ジャーナル紙は、陳の指揮下で、MSS(中共国家安全部)は諜報活動や防諜活動にとどまらず、「国の経済、外交政策、文化に至るまで、安全保障上の脅威に関する見解を公の場で発表している」と報じた。同報道によると、MSSは、アメリカの通信ネットワークに侵入し、数千のアメリカ人を含む携帯電話通信を盗聴した可能性が指摘される「ソルト・タイフーン」サイバー攻撃の背後にいたとされている。これには、ドナルド・トランプ次期大統領とカマラ・ハリス副大統領の選挙運動も含まれていた。

2020年、彼はCOVID-19パンデミックの発生地である中国の武漢市で厳格なロックダウンを主導した。

Petr Svab
ニューヨーク担当記者。以前は政治、経済、教育、法執行機関など国内のトピックを担当。